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元虐められっ子の学園生活
部活間の亀裂
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そう言い残して部室から出ていった。

――――ありがとう、比企谷。
そう思わずにはいられない俺だった。








「鳴滝君」

比企谷が退室して少し、雪ノ下は唐突に俺の名前を呼んだ。

「何だ」

「貴方は……その、怖くはなかったの?」

怖くなかったのか。
これは恐らく先程の告白について言っているのだろう。

「怖かったな。結構良い感じの関係が築けたと思っていたから、正直叫弾されるかと思った」

「なら、どうして…」

「それでも言わなきゃならなかったからだ。
後ろめたい気持ちをそのままに、これから先もずっと抱えていくなんてのは嫌だからな」

「………そう」

雪ノ下はそれっきり黙ってしまう。
長い沈黙が続き、時計は最終下校時刻を指していた。

「鳴滝君、明日は予定があるかしら?」

雪ノ下のそんな言葉に俺は考える。
明日は特に何もないはずだ。
しかし此処で『ありません』などと答えてしまっても良いのだろうか?
この手の言葉は誘いのセリフと同義に取れる…大方明日何かに付き合ってほしいとかそんなところだろう。
しかしだ。相手は雪ノ下だ。
冷徹な目線と饒舌で相手を撃墜するような雪ノ下なのだ。
だから俺は平然を装い、こう言った。

「明日h「そう、なら明日はララポート前の看板に来て頂戴」…いや、明日h「そうね、時間は午後1時にしましょうか」…だから「お昼は食べて来るのよ。間違っても奢りなどはしないから」……えぇー……」

おかしい。
雪ノ下が話を聞かない……。
たが負けるわけにはいかない。俺にだって貴重な休日を過ごすと言う大義名分があるのだ。

「雪ノ下」

「何かしら?」

「明日h「遅れたらペナルティーを課すからそのつもりで」……わかった」

俺は…無力だ…。

夕日に染まる部室にて、後に残された俺は只立ち尽くすしかなかった。
明日の休日がおじゃんになると頭の中でシュミレートが行われ、更には嫌な予感までしてしまう程に。
俺は静かにあるきだし、平塚先生に部室の鍵を返しに行こうと職員室へと向かうのだった。


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