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日向の兎
1部
28話
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二次試験開始までに準備を整えるように試験官から指示された私達は一旦家に帰り、忍具などを多めに用意することにした。
そして、用意を終えて離れを出ようとした時、珍しい人物に声を掛けられる事になった。
「ヒジリ」
「親父殿か、一体何の用だ?今から私は試験会場に行かねばならないのだが」
「中忍試験が終わったら一度私の部屋に来い。お前に話さなければならない事がある」
「ほう?それは良い事か、悪い事かどちらかな?」
「良いも悪いもない。ただお前の運命にまつわる話だ」
「それは楽しみにしておこう」
私はそう言って屋敷の門へ向かう。
しかし、どうにも引っ掛かる話だな。日向の家の者ではない私の運命について、親父殿は一体全体何を語ろうというのだろう?



死の森、ここが二次試験の会場か。
試験官のルール説明を大まかに纏めると、天と地と書かれた巻物合計二十六本を各班どちらか片方配布し、他班から自らの班の持つ巻物とは違う巻物を奪う。そして、天地の巻物を揃えた状態で死の森中心にある塔に辿り着いたら合格ということだ。
最低でも受験者の半数つまり十三の班は強制的に落とすことのできる良い試験ではあるものの、少し知恵を巡らせれば大幅に次の受験者を削る事ができる。
巻物の総数が決まっており天地両方を揃えなければならない以上、天か地かどちらか片方の巻物を処分すればそれで三人は次の試験での敵を減らすことができるということだ。
この試験では相手が一体どの巻物を所持しているかは奪うまで分からない以上、自分の持つ巻物とダブる可能性もある。
であれば、その巻物は即刻処分することで不要な巻物ではなく、一度の戦闘で奪った相手と次の試験で戦うかもしれなかった三人の計六人の対戦相手を排除できる事になる。ダブった巻物であればいくら処分しようと私達にとって不必要な巻物が減るので損害はない、まさに一切の損害を出さずに一石二鳥というやつだ。
……だが、この試験には一人だけイレギュラーな存在が紛れ込んでいるな。
草隠れの下忍のようだが……この眼には火影クラスの化物とも言うべき巫山戯た力の持ち主にしか見えない。加えて、体の方も薬や術などで相当弄っているようで、一瞬で全身を消し飛ばしでもしなければ死なんだろうな。
勝ち負けではなく相対した段階で詰み、私達であれば如何に準備を整え、罠を仕込んだ所で勝ち目のない相手だ。
今回の試験ではあれをどうやって避けるか、それのみを考えるべきだな。
まったく……親父殿の言葉といい、この試験といい今日は私を悩ませる物事が多すぎるぞ。
「ヒジリ様、どうかしましたか?」
「いや、何でもない」
加えて試験官であるみたらしアンコ、封印で抑えられているものの彼女の首筋にはイレギュラーと同じチャクラがある。
さて、試験
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