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FAIRY TAIL 魔の天才
その背中が示すもの
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「これで、S級クエスト完了だな!」
「もしかして、これで私達二階(・・)に行けちゃったりして!」

ナツとルーシィは喜びを隠せない様だ

(んなわけねぇー)

カイトはその二人をやけに微笑ましく思いながら右を見た
グレイが涙を見せてから五分ほどしただろうか
すっかり泣き止みその後を隠そうともしないグレイに感心した後あることに気が付きエルザに指摘する

「さっき、メイルから大体の事は聞いたがこの仕事まだ終わってないんじゃないか?」

カイトの指摘にエルザは多少驚きながら頷く

「あ、ああ
確かにこのクエストはまだ終わっていない
・・珍しいな、カイト。お前がここまで助言するなんて」
「・・・俺ってそんなに薄情に見えるかな」

このやり取りを聞いてナツとルーシィ、メイルは驚きの声を上げる

「え!?
でも、デリオラも倒したし、これで・・」
「村人の皆を元に戻すことが今回の仕事だろ?
彼らが悪魔の姿になったのは、デリオラが原因じゃない」

ルーシィの言葉に被せる様にカイトは告げた
しかし、真相を知っているメイルの反応は少し違った

「カイト〜、元に戻す・・って無理じゃない?」

メイルは小声で言ったので、他の皆には聞こえてない
・・・メイルがどこにいるかって?さっきからずっとカイトの背中にくっついてる

「そこから先は仕事を引き受けた奴の仕事だ
ほら、仕事を済ませてこい。俺は港で待ってるからな」
「ああ。すぐ済ませてくる」

エルザが言った後すぐ歩き始めたのでナツ達はついて行く
ふと、何かを思ったのがグレイが振り返りリオンに告げる

「お前もどっかのギルドに入れよ
仲間がいて・・きっと楽しいぞ」
「うっ、うるさい。早く行け」

弟弟子に言われて少し恥ずかしそうに顔をそらすリオン
グレイはそれ以上何も告げずナツ達を追いかける
リオンがその場を離れようと腰を浮かし、一歩目を踏み出したその瞬間にカイトが呟く

「これは独り言だから聞き流せよ
・・・俺は全てを見たわけじゃない。だが、今回のお前のやり方は少し(・・)間違っていたと思う。師を超えたいと思うのはあたりまえだが、その亡霊にいつまでも囚われるな
本当の力・・・大切な人を守る力や、何人にも負けることのない絶対の力や、師を超えたいという思いの力。それを本当に手に入れたいならここに行け。悪いが妖精の尻尾(うち)には呼べんが、知り合いのギルドだ。
此処に行き、この手紙を見せたのちジュラという男を訪ねろ
きっと何かわかるだろう」

カイトはリオンに一枚の便箋を渡し、その肩を二回叩くとあえてリオンの前を歩いて行った


その背中はまるで、語っているようだった






――――――俺に
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