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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十一話 罪を負う者
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レンシュタインが視線を皇帝に戻す、皇帝は明らかに怯えた表情を見せた。反逆者か、悪くないな、皇帝と対等の立場だ。それにしてもいつもとは口調が違う、オフレッサーも訝しげにしている。

「エルウィン・ヨーゼフ、これから私達が話す事を良く聞きなさい。どれだけ理解出来るかでお前の人生が変わるだろう。運が良ければ良い皇帝になれるかもしれない。だが何も理解出来なければ暗君として惨めな人生を送る事になる。多分、早死にするだろうな」
更に皇帝が怯えた様な表情を見せた。彼にはヴァレンシュタインが死を告げる死神に見えているかもしれない。

「ヴァレンシュタイン提督、いささか酷くは有りませんか? 陛下は未だ六歳なのです、もう少し労わって差し上げても……、人質として利用するならこの場に居なくても良い筈です」
フロイライン・マリーンドルフか、小娘と言って良い年齢の筈だがそれなりに胆は据わっているらしい。ヴァレンシュタインがここに連れてきた以上それなりの物が有る筈だ、何を持っている? 見せて貰おうか。

ヴァレンシュタインがフロイラインに視線を向けた。彼女が明らかに怯みを見せた。睨んでいるのか? 横目で確認するとヴァレンシュタインが彼女を無表情に見ていた。
「六歳だろうと六十歳だろうと皇帝である以上責任は生じる。失政が起きれば場合によっては殺される事も有る。違うかな?」
「……それは」
絶句するフロイラインにヴァレンシュタインが冷笑を浴びせた。

「彼を皇帝にしたのは私ではない。そこに居るリヒテンラーデ公とローエングラム侯だ。六歳の幼児に皇帝は無理だと思うなら彼らが擁立する時に反対すれば良かったのだ。六歳の幼児には無理だと言ってな。だがフロイラインはそれをしなかった……」
「……」

「即位を認めた以上エルウィン・ヨーゼフは皇帝だ。ならば彼を皇帝として扱うのが臣下の務めだろう。その時々に応じて皇帝と幼児を使い分ける等不忠の極みだな」
「……」
フロイライン・マリーンドルフの顔が強張った。
「フロイライン、マリーンドルフ伯爵家は神聖なる銀河帝国皇帝を愚弄しているのか?」
「そんな事は……」
「ならば黙っていろ、不愉快だ」

彼女が口籠って顔を伏せた。ヴァレンシュタインが冷笑を浮かべながら他の四人に視線を向けた。皆、視線を逸らした。
「貴方達をここに呼んだのは気紛れではない、意味が有っての事だ。その事を良く理解して貰おう、発言には当然だが責任が生じるという事も」
「……」
「私を甘く見るな」

声に気負いは無かったが恐ろしい程に威圧感が有った。皆、顔を引き攣らせている。リヒテンラーデ公でさえ例外ではなかった。遮音力場を使ったのは周囲に会話を聞かれるのを避けたのではなくこの威圧感を外に漏らさないためではないかと思った。漏れれば艦橋の人間全
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