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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十話 帝都攻略
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爵夫人の住居の様子が映し出されている。
それぞれの屋敷の上空には小規模の艦隊が監視のため待機している。映像はそれらの艦隊から送られたものだ。オフレッサーの親父とフェルナー参謀長は既にリヒテンラーデ公爵家、マリーンドルフ伯爵家に向かっている。リューネブルク中将と提督は待機だ、新無憂宮の攻略が今一つ思わしくない。
お、通信が入ってきた。
「シュムーデ提督より通信が入っています!」
「スクリーンに映せ!」
リューネブルク中将かよ、提督の声が聞きたいよ。ちょっと高めの柔らかく温かみを帯びた声。中性的、いや女性のような声だ。
その提督の声が戦闘中は冷たく変わる。どれほど優位に戦闘を進めていても冷たさは変わらない。まるで“この程度の相手に何を騒いでいるの?”、“話にならないわね、可哀想だから叩き潰してあげる”、“貴方じゃ熱くなれないの、詰まらないのよ”そんな感じだ。ツンツンしたそっけなさが何とも言えない。俺だけじゃない、皆も言っている。いつか熱くなった提督を見たいってな。そのためなら何でもするって。
『申し訳ありません、敵の排除に時間がかかっております。敵は新無憂宮の建物内に籠って抵抗しています』
シュムーデ提督の顔色、良くないなあ。まあ中に籠られるとちょっと厄介だよな。壊すわけにもいかないし……。あ、ヴァレンシュタイン提督が小さく笑った。出たよ出たよ、ビスク・ドールの微笑みが! これが出るとブッ飛ぶぜ!
「敵は新無憂宮がお気に入りのようです。ならばそこで死なせてやるのが親切というものでしょう。構いません、新無憂宮を攻撃してください」
『しかし、宜しいのですか、新無憂宮を、攻撃など……』
声が裏返ってるぜ、シュムーデ提督。目ん玉飛び出しそうだ。ヴァレンシュタイン提督が声を上げて笑った。
「ワルキューレでは効率が悪いですね、戦艦を用いて艦砲射撃を行いましょう。新無憂宮もろとも敵を叩き潰して下さい」
『か、艦砲射撃……』
キター! 新無憂宮を艦砲射撃! マジかよ、それ! 提督以外の人間が言ったらサイオキシン麻薬でイッちゃってるか、ブッ飛んでるかを疑うけどビスク・ドールは素面だぜ。マジで痺れるわ! 最高! シュムーデ提督、あんたも腹を括りなよ。ここまで来たら楽しまなくっちゃ。俺達は反逆者なんだ。
「西苑から北苑、東苑、南苑と順に攻撃してください。徹底的に、情け容赦無く、跡形も無く、全てを消し炭にしてください」
『……』
呆然としているシュムーデ提督にヴァレンシュタイン提督が艶然と微笑んだ。でも眼だけが笑っていない。くー、これだよこれ! “私の命令が聞けないの? それで良いのね?”、提督の目がそう語りかけて来ている。背筋がゾクゾクする。イキそうなくらいの恐怖! 堪らねえよ!
「私がやりましょうか?」
『た、た、直
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