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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第12話:ロマンスの神様を当てにするな
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を敵に回したくないと言って断れよ。目を潤ませて懇願しても、股間の脳で考えず決断しろよ」

「でも父さん……リュリュだってそこそこ強いですよ。もしかしたら優勝してしまうかもしれないじゃないですか? どうするんですかその時は?」
それもそうだな……陛下のことだから何か考えがあるのだろうか?

「確かにリュリュは強い。でもそれは、ウルフと似た様なベクトルでだ。つまり魔法を使っての戦い方に限定される。今大会は魔法の使用が禁止されてる。会場では“静寂の玉”を使用するしね」
そう言ってウルフ殿に視線を向ける。ウルフ殿は奇妙な首飾りを取り出し見せてくれる。

「事前に通達してるルールだから、集まる猛者も魔法戦闘をしない者達が殆どだろう。つまり現状のリュリュは大きくビハインドを持ってるって事だ」
「そして今回の件を広め、リュカさんがリュリュさんの勝利を望んでないと知れ渡れば、リュリュさんが強くなることに協力する奴は少なくなる。彼女の友達(モンスターズ)には、今朝説得しておいたしね」

「つまりは出来レースと言うことか?」
「そんなことはないぞオジロン。この不利な状況から努力してリュリュが優勝したのなら、僕はその努力に報いる為に娘を愛するよ。妻や愛人等と遜色ない愛を与えるよ」
陛下は爽やかな笑顔でオジロン閣下の問いかけに答える。

「まぁ……後はロマンスの神様に頼むしかないんじゃないかな? そんな奴が実在すればね(笑)」
「神頼みをしてる様じゃリュリュさんに勝ち目はないよ。カタクール候の用意してる連中は、かなりの手練れ揃いですからね。先日見学してきましたから」

そうだろうな。
シクーラ大臣も選りすぐりの者を出場させるだろうから、簡単に優勝できる訳がない。
流石としか言いようがない。

昨晩の私の意見も考慮し、一晩でこれ程の作戦を練るのだから……
ウルフ殿の貢献も大きい。
陛下が絶大な信頼を寄せるだけはある。

「でも……本当に優勝されちゃったら……ヤダなぁ」
「今更何言ってんだ! 一見フェアな交換条件を提示して、騙くらかすのが作戦だろが! そんなに心配なのなら、ティミーさんも出場させて全力で阻止させろよ」

「え、僕が出場しても良いんですか? じゃぁ何をお願いしようかなぁ……やっぱりリュリュとのアレかなぁ?」
「バ〜カ! 相手が嫌がったら願いは叶えられないって言ってんだろ」
「ティミーさん、リュリュさんには嫌がられること必然ですよ。理解してますか?」

「酷い二人とも! リュカ家の血族として、欲望塗れの夢を見たって良いだろ」
「馬鹿者。リュカ家の血族なら、欲望塗れの夢は自力で叶える物なんだよ、なぁウルフ」
「俺はこんな夢を見た憶えはない。どこで道を間違えたんだ?」

流石だ……
リュカ家の一員に
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