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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 02 「朝からでも賑やか」
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に耳に届いた駆けるような足音と気配に、俺の脳裏にある人物が浮かぶ。俺かディアーチェの2択であるならば、十中八九ディアーチェを的にするはずだ。もうそこまで来ているようなので遅いかもしれないが、注意を促しておこう。

「急に黙ってどうしたのだ?」
「ディアーチェ」
「ん?」
「気を付け……」
「おっはよう〜!」

 元気な声と共に現れた人物がディアーチェを後ろから抱き締めた。突然のことに驚いたディアーチェが身を震わせたのは言うまでもない。

「会いたかったで王さま〜」
「えぇい、何で引っ付いてくるのだ。離れんか!」
「えぇ〜、そないなことしたらわたしの姉やんへの想いはどこに持って行けばええの?」
「誰が貴様の姉だ。気色悪い! うっとしい、さっさと離れぬか!」

 はやてはディアーチェの言葉にショックを受けた(ように見える)顔を浮かべると、ディアーチェから静かに離れて地面に『の』の字を書き始めた。
 このように落ち込む人間はそうはいないし、はやては落ち込んでいるときほど人前では明るく振る舞う奴だ。どう考えてもディアーチェの気を引く罠としか思えない。

「す、すまぬ。さすがに今のは言い過ぎた。別に貴様が嫌いというわけでは……」
「だから好きやよ王さま〜♪」
「だぁもう、引っ付くなと言っておるだろうが!」
「うぅ……王さまのいけずぅ」
「ふん……あいにくと我の寵愛は安くないのだ」

 どうやら漫才とも呼べそうなやりとりは一段落したらしい。
 それにしても、朝から元気だよなこのふたり。周囲に人がいないから目立ってはないけど、もう少し遅い時間だったら人だかりが出来てただろうな。はたから見れば、同じ顔の人間が騒いでるわけだし。

「ええもん、ええもん。わたしにはショウくんが居るし。ショウくん、慰めて〜……何で避けるん!?」
「いや、普通は避けるだろ。というか、中学生にもなって抱きついてくるなよ」
「ん、なんやなんや、わたしのこと女の子として見てるんか?」

 にやけ面で近づいてくるはやてに苛立ちを覚えた俺は、反射的にチョップを入れそうになった。しかし、入れたら負けだという思いと女子に手を出してはならないという思いから留まり、大きくため息をはくだけにした。

「はぁ……当たり前のこと聞くなよ」
「ほほう、当たり前なんや。なあショウくん、わたし可愛い?」
「あぁうん、可愛い可愛い」
「うわぁ……予想しとったことやけど、すっごく投げやりな言葉やな。わたしへの言葉は、ある意味王さまへの言葉でもあるんやで。王さま可愛くないんか!」
「何を言っておるのだ馬鹿者!?」
「おや〜、その反応からして……王さまはショウくんに気があるん?」
「――ッ、小鴉!」
「いやん、そんなに怒らんといて」

 朝からおいかけ
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