暁 〜小説投稿サイト〜
Shangri-La...
第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
27.Jury・Night:『Graaki-Apocalypse』
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
せめて、我らが神の身許に」

 貫徹した十文字槍が引き抜かれて、蔵人は刺殺した駆動鎧(ラージウェポン)から一歩離れて。対峙したまま、次の局面を迎えた。
 グラーキの棘に沁みる屍毒に、死体が甦る。その駆動鎧に、銀の筒を携えたミ=ゴが潜り込む。嘗てのように、また能力持ちの駆動鎧に。

「────させるかよ」
「フハッ、種の割れた手品などは通用せぬか。しかし、お若いの。まさか()()()()とは恐れ入るのぉ、()()()!」

 なるよりも、早く。正座の状態から跳び上がった嚆矢の長谷部により、駆動鎧はミ=ゴごと抜き打ちに両断された。蔵人はしかし、残念がる様子もなく。寧ろ、にたりと笑う。

 そして────

「ハッハッハ、聞かれなかったので自ら言おうか。何故、私が生きていたのか……それがこれだ」

 槍使いは、祈りを捧ぐ。それはまるで、聖者のように。“グラーキ黙示録(グラーキ=アポカリプス)”を、掲げて。

飢える(イア)飢える(イア)飢える(イア)─────迷宮蜘蛛(アイホート)!」

 足下から、カサカサと。影から涌き出るような、青白い……球形の蜘蛛のような形の異形。掌くらいのサイズで、群を成して。

《成る程のう、迷宮蜘蛛(あいほーと)を取り込んで……贄に雛を植えて、同一の存在としたか。中々に出来るのう、グラーキの信徒め》
「ハッハッハ、先に言われてしまったなぁ……簡単に言ってくれたが、大変だったのだぞ? まあ……」

 “悪心影(あくしんかげ)”の得心の呟き。それに、()()()蔵人が笑う。嘲笑を浮かべる。

「お陰で、()()()()()()()()()も手に入ったがな?」

 そして、槍を頭上で回す蔵人。その動きに呼応するように、アイホートの雛の群が渦を巻く。

「────迷宮に出口は無し(There are no exits in the maze)迷宮に道標の糸は無し(There is no Ariadne in the maze)

 槍使いは渦の中で、厳かに聖句を唱える。雛達は応えて蔵人を包み、形を変え─────

アイホートの迷宮に(Without the other ones which are death)死の他無し(in a labyrinth in Eihort)!」
「……マジかよ」

 その身を、鈍い輝きを放つ青白い甲冑に身を包む────禍々しき奇形の蜘蛛を思わせる、中世ヨーロッパの槍騎士(ランサー)と換えた。

《マジも大マジ、糞真面目よ。クトゥルフ神話とは、()()()()|釈
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ