暁 〜小説投稿サイト〜
ひねくれヒーロー
愛する者に欺かれている方が、幸福である。
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そのうちに光は狐の姿をとり、わしに気づいて交渉を持ちかけた


もはや息絶える寸前の者の願いを切り捨てるほど、冷酷ではないんでの

わしはパルコの願いを聞き入れ、引き換えに知識を渡された」


喉が渇いたからか、それとも、次の言葉に悩んだためかここで自来也は言葉をつぐんだ


「・・・知識?」


「うむ・・・

 日の国、太陽教、地下神殿、そして・・・暁のことだ
 
 お前さんが人柱力で虚弱体質だということも教えられた」


「・・・炎の、卵っで?」


「お前さんにはパルコの2本の尾が入っておる
 
 そのうちの一本が防衛機能として作りだしたのが炎・・・そうじゃの、狐火、とでも言おうかの」


もう一つは生命維持に使われておる

遠い目をしながら説明される


思わず右手で腹を撫でた

・・・命が助かったことよりも、それに対する謝罪よりも先に思い浮かんだのは疑問

何故、と声に出さず呟く

答えは返ってこない


「・・・パルコはの、こうも言っておった

 あまりにも不憫だったのだと、思わず憐れんでしまったのだと、な」


思考が停止した

憐れみ?

あぁ、そうだな、いつだってあいつは俺をひ弱だの、未熟だの、可哀想だのとのたまいやがる

そうか、不憫か

不憫な境遇になったのはてめぇの存在だと知ってて抜かしたか


自来也の目が、ひどく冷めたように見えて、哀れんでいるようで憤った


「・・・見返したいか?」


自来也の手が俺の目を覆った

じんわりとした暖かさが体に染み渡る

何だろうこれは、どこかで感じたことがあるのだけれど分らない


「今までチャクラが扱えなかったそうだの

 しかし、パルコのチャクラがお前に力を与えた

 これからわしが修行を見てやる、パルコの巫子よ、忍者になれ」





思わず涙があふれた

大声で泣きわめくことはなかったが、それから小一時間は泣き続けていたと思う

泣き疲れて眠るころに俺はぼんやりと誓った





パルコの守りが、狐火が必要ないぐらい強く生きよう

チャクラが使えなくても、忍者になれると、証明して見返してやろう





眠りに落ちた時、金色のお日様が笑った気がした




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