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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第三十一話 リーゼ・マクシア同盟
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/Fay

 ローエンに付いてってカン・バルクの王城にみんなで向かう途中、ア・ジュール国軍兵に武装解除されたアルクノアの人たちをいっぱい見た。これ全部、クレインさまとローエンがやったの?


 お城に入って央堂まで行った。
 そこで一部隊を率いて待ってた、クレインさまがいた。

 クレインさまはガイアスに気づくと、前に出て深々と頭を下げた。

「事態の火急さゆえ、許しも得ずに城に足を踏み入れました。無礼をお許しください」
「――カン・バルクからアルクノアを追い払ったのはラ・シュガル軍と聞いた」
「はい。勝手かとも思いましたが、力無き民が虐げられるのを見ていられず――余計な真似でしたでしょうか」
「いや。それが我が民を守ることに繋がったなら、文句など言えるはずもない。感謝する。クレイン・K・シャール」

 クレインさまはにっこり笑う。あ、それ、外交用の顔。フェイ、分かるんだから。

「しかし何故、今この時にア・ジュールに助太刀した?」
「あなた方には恩がありました。それを返すつもりで」
「恩?」
「正直に申し上げると、ア・ジュール軍が攻め込んだからこそ、我が国は革命を起こせたのです。私はその恩義を甘んじて享けるだけで終わるつもりはありません」

 烈しいまなざし。ガイアスとは違う強さを感じさせる。

「我がラ・シュガルより集めた精鋭を連れて参りました。アルクノアが成そうとしていることは我々にとっても看過できるものではありません。我々も共に戦います」
「それはラ・シュガルを束ねる者、王としての言葉か」
「はい」

 ガイアスはクレインさまとがっしり握手した。

「ラ・シュガルは良き王を得た。共に戦おうぞ、クレイン」
「光栄です、ガイアス」

 わたしは心から拍手した。よかった。クレインさま。ガイアス。本当によかった。

 周りにいたア・ジュールの家来さんたちもちょっとずつ手を叩き始めた。クレインさまが連れてたラ・シュガルの少ない兵隊さんも。最後はお国関係なしで大喝采。


 ――ひょっとして、わたしはとんでもない場面を目撃してるのかもしれない。

 歴史上いないはずのラ・シュガルの王様。でもア・ジュールと敵対しない。
 正史では王様がア・ジュールとラ・シュガルをまとめて統一したけど。この世界ではふたりの王様が融和したことで、リーゼ・マクシアが一つになる。

「どうした、フェイ」
「フェイ、ヘンな顔?」
「そうだな。締まりのない顔をしている」

 わたしの顔が緩んでる理由。わたしの心がふわふわしてるから。

「わたしね、王様になったクレインさまを見てみたいなって、ずっと思ってたの」
「……よかったな」

 パパの声からはトゲも冷たさも感じなかった。

「うん
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