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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■インフィニティ・モーメント編 主人公:ミドリ■■
壊れた世界◆生きる意味
第五十九話 生きる意味:キリト&アスナ
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者を納得させる論理性を持っていた。
「ウェーバーっぽい考え方だな。主観的な意味を考える、か。……ありがとう、参考になった」
 ミドリとストレアが感謝して頭を下げると、キリトたちはほっとため息をついた。鋭い質問に思わず息を詰めていたのだ。
「それじゃ、お茶にしない? なんか妙に疲れちゃった」
「済まないな、考えにくい質問ばかりぶつけちゃって」
 いいのよいいのよ、と言いながらアスナはお茶とお茶菓子を持ってきた。それから小一時間、ミドリはシノンとの関係についてアスナから矢継ぎばやに質問を浴びせられたのは言うまでもない。


 その晩、ミドリとストレアは再び話し合った。
「なんていうか……すごかったね。あの二人」
「ああ。ゲームクリアに対する目的意識自体はあまり切羽詰まったものじゃなかったが、なんとしてもクリアするっていう強い意志があったな」
「それに、この世界に生きる意味についてしっかり考えてたね」
「そうだな。現実世界に普通に生きている時は生きる意味なんて考えないものだ。きっとこの世界に囚われた時に、生きる意味を考えたんだろうな。そうじゃなければ、こんな上層まで上り詰めることはなかっただろうから。俺たちみたいに、上層に降って湧いたような奴とは覚悟が違う」
「……ミドリは、生きる意味を量れた?」
 しかし、ミドリはストレアの質問に対しては苦笑を浮かべた。
「死ぬ覚悟ができたかっていうのと同じ意味だよな、それ。無理だよ。あいつらに比べて俺は弱い、生きる価値だって小さいだろうさ。でもな、だからって死ねるか?」
 ストレアも首を横に振った。ミドリは続けて言う。
「でも、キリトの……っていうよりアスナの話を聞いて、俺は何かに気づきそうな気がしたんだ。何か、すごく大事なことに」
 それは何? とストレアは視線で尋ねた。しかしミドリは答えない。答えがうまく言葉にできないからだ。

――そう、もしかして俺は……何か大きな勘違いをしているんじゃないだろうか。生きる意味の重さを量るのが大事なんじゃなくて……大事なのは、生きる意味……そのもの……?
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