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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第二十九話 暴かれる神話
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/Victor

 目を覚ますと知らない部屋にいた。

 体を起こす。ベッドの上にいるということは、誰かに助けられて運ばれたんだろう。ガイアスたち……は、ないな。ありえない。

 上着とスカーフは外されてベッドのサイドテーブルに置いてある。武器も――

 不意にドアが開いた。
 サイドテーブルから銃を取ってドアに向けて構える。

「うぉっと、こりゃ怖いお目覚めで」

 入ってきた男はおどけて両手を挙げて見せた。

「アルヴィン――」
「よっ。ダンナ、おひさー」

 銃を下ろしてサイドテーブルに置き直す。カン・バルクで別れた日から何一つ変わらない。ああ、懐かしいとさえ感じるよ。何もかもなんでもないかのように演じる君の姿。

「ここは?」
「カン・バルクのすぐそばにある、ザイラの森の教会。大変だったぜー。おたくにエリーゼにイバルに本物のマクスウェルサマ。俺、全員担いでここに運び込んだんだぜ?」
「手を煩わせてすまなかっ……」

 待て。どうしてこんなに視界がクリアなんだ? いつも仮面で視界は狭められているのに……仮面?

「あー……わり。その、俺が見つけた時には、着けてなかった。一応近く探したんだけど見つかんなくてよ」
「見た、のか」

 沈黙。そうか。見たのか、アルヴィン。この顔面。人間不信の精霊の呪いで侵された、黒い肌と赤い眼。

「エリーゼとイバルは?」
「人形姫とバカ巫子は下。ミラだっけ、本物のマクスウェルサマと一緒。あとガイアスと四象刃(フォーヴ)の連中もいるぜ。連中、エレンピオス軍にカン・バルク陥落(おと)されて一旦逃げて来たんだと」

 これはまた。病み上がりにはきついメンバーがお揃いで。それはともかく。

「アルヴィン、なぜ来た。ガイアスたちを救助に、ではないだろう。ご家族に何かあったか」
「おたくは何でもお見通しだねえ。……死んだんだ、母親が」

 アルヴィンは語った。

 ちょうど我々がカン・バルク城を脱出した直後だったという。シャン・ドゥのイスラから報せが入った。レティシャ夫人が危篤だと。だがアルヴィンは密偵だ。家族の危篤に駆けつける密偵など許されるわけがない。

「まさか、それが理由でア・ジュールを抜けたのか?」
「ああ、抜けたとも。脱走してやりましたとも。道中何度も死ぬかと思ったぜ? 何せプレザとアグリアがタッグだったからな。てか俺ホントよく生きてたわ。自分に感動」

 メイスの台詞が頭に浮かぶ。「彼にとって譲れないもののために走り出しただけ」――彼女はどこまで読んでいたんだ。

 アルヴィンは言う。事も無げに。彼女たちの追手を躱しながら、焦れる心を抑えてシャン・ドゥへ走ったと。そしてやっとの思いでシャン・ドゥのレティシャ夫人の下へ辿り着
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