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暁の舞
プロローグ
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昔、鬼がいた。
鬼は途轍もない力を持ち、幾つもの街を壊滅させ
人間を殺し、地上を支配していた。
だが赤髪の男が、自らを生贄にし鬼を封印した。
しかし、その鬼が今復活し始めている─

「─あー、かったりぃー」
と俺は草原で転がった。
「勉強なんてやってられっかよ。俺は鬼を狩りたいんだ」
と俺が呟いていると、突如、俺の視界いっぱいに
中年の男の顔が広がった。
「赤虎、こんなとこに居たのか」
俺は驚き勢いそのままに中年の男の額に
俺のデコを思い切りぶつけた。
「いってぇー、先生急に顔をのぞき込むなよ、ただでさえ先生の顔はこえーんだから」
と俺が文句を言うと、先生と呼ばれる男は笑いながら
「それは悪かったが、それよりどうにかならんのかお前のその石頭は、とてつもなく痛いぞ」
と、そこまでは笑いながら話していたが
途中で先生の顔が怖い顔に変わった。
「お前また授業サボったな!これで何回目だ!」
俺は(あー、また始まった)
と思いつつ説教タイムスタート〜と心で呟くのだった。

先生の説教は一時間半にも及びやっと終わりに向かい始めた。
すると、先生は急に説教を止め、辺りを見渡す。
俺は「……?どしたの、先生?」と話しかけると
先生は真剣な顔で「赤虎、どこか遠くへ逃げろ!早く!」
と叫んだが、俺はからかってるなぁ〜と思い
先生に近付いたその時だった。

ズシン、ズシン、ズシン
何やら足音のような音が響き渡る。

俺はそれを見た瞬間、体が凍り付いた。
それは俺が狩りたい狩りたいと言っていた、
鬼そのものだった。
身長は約三メートル、右手に斧を持ち笑っている。

鬼は俺と先生を見渡すと
ものすごい勢いで斧を振り下ろした。

俺は斬られる寸前に、先生に助けられ危機一髪助かった。

先生は俺を抱え走ると崖まで来た。
俺は鬼を崖へ落とすのか!と思いさすがは先生と感心した。

先生は俺を下ろし、真剣な顔で話しかけた
「あの鬼は俺達じゃ到底適わない。だが、俺はこれ以上あの鬼を村に近付かせる訳にはいかないんだ」
と話すと先生は俺に先生の愛刀《煉獄刀》を渡し、続けた。

「赤虎お前は生きろよ、俺の愛刀《煉獄刀》を俺だと思え。俺は赤虎みたいな糞生意気な生徒を持って幸せだったよ」
と言うと、先生は俺を崖に突き落とした。

その落ちている際、俺は先生の後ろで切りかかる鬼と
内ポケットから手榴弾を出す先生の姿を見た。
「先生!やめてくれぇぇ!」と俺は泣きながら叫ぶが
先生には聞こえてないようだった。

最後に先生は笑った気がした。
その瞬間、爆発音が響き渡り俺は気を失った……。

──それから八年後…。
俺は十八歳になった。
俺の背中には先生の愛刀だった《煉獄刀》を掛けている。
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