第十四話 今度はメイドさん、本当に色々な人が来るその四
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「あたし達だってね」
「我々は日本語で考えてるな」
「うん、いつもね」
「しかしそれぞれの国の言語がありだ」
「その言語で考えるのね」
「ドイツとのバイリンガルなら両方の言葉で考えることが可能だ」
何処かのアニメのキャラがそうだった、そういえば。
「そして思考の結論が変わったりするのだ」
「ふうん、そうなの」
「同じことを考えてもな」
「日本語で考えると日本語の結論になって」
「英語や中国語でもだ」
それぞれの結論になるというのだ。
「そうなったりするのだ」
「ううん、言語って相当重要ね」
「ただ喋ったり書くだけではない」
「考えにも影響するのね」
「そういうことだ」
留美さんはこう美沙さんに話していた。
「もっとも日本語でも方言があるが」
「あたしの北海道でもそうだしね」
「奈良は関西弁だがな」
「留美さんは関西弁喋らないわね」
「いや、出る時はある」
「そうなの」
「頭の中では関西弁で考えている」
留美さんもというのだ。
「これでもな」
「あれっ、けれど口調は」
「確かに普段は関西弁ではない」
あまり出ないという意味の言葉だった。
「しかし思考はだ」
「奈良の言葉で考えてるの」
「そうだ、例えばだ」
「例えば?」
「ここはどうしたらええんや、とかな」
そうした言葉を、というのだ。
「頭の中でいつも出している」
「それはまた意外ね」
「だが言葉はだ」
「今みたいな口調なのね」
「そうだ、女武士みたいだと言われたこともある」
「そういえばそうね、硬い感じがするわ」
その通りだとだ、美沙さんも留美さんに返す。
「あんたの喋り方はね」
「どうしてもそうなってしまう、堅苦しいがな」
「堅苦しいねえ」
「そう受け取るのなら申し訳ない」
「いいんじゃない?それでも」
あっさりとだ、美沙さんは留美さんに返した。
「別に下品でもないし礼儀正しいし」
「いいか」
「ええ、別にね」
構わないとだ、また言う美沙さんだった。
「それでね」
「ならいいが」
「それに留美さん剣道やってるし」
美沙さんは留美さんにこのことからも話した、留美さんは今では八条荘きっての剣豪ということになっている。
「女武士でもいいじゃない」
「それでもいいか」
「新選組にいそうよ」
「新選組は女性はいませんでしたが」
小夜子さんが美沙さんにすぐに言った。
「それでもですか」
「あっ、映画であったのよ」
「新選組が女性の映画がですか」
「沖田総司が主人公でね」
「それで沖田総司が女性だったのですか」
「そう、あとゲームでもあったわね」
美沙さんは小夜子さんににこにことして新選組の中に女性がいたという話をしていく、フィクションの中のそれを。
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