暁 〜小説投稿サイト〜
Shangri-La...
第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
七月二十七日:『狂信者』
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
最早引き返しようもない。後は、最早……滅びに至る、宿命のみ。

──まだ……まだだ! まだ、負けてはいない!

 撃ち込まれた無数の棘に、既に死骸は形すらなく。しかし、死んでなどいない。あれは、()()()()()()だと理解しているから。

──手に入れろ、あの少女……佐天 涙子(さてん るいこ)を。殺せ……何としても! あの男を、対馬 嚆矢(つしま こうじ)を!

 だから、命じる。可能性を殺す事を。手下である、彼らに向けて────


………………
…………
……


 無窮の魂が、漸く辿り着く。某かの影響下に在るのか、揺らめきながら、漸く。
 ホテル・リッツ。学園都市の最高峰宿泊施設。与えられた情報から辿り着いた、この場所。

「失礼致します。どなた様に、御用でしょう?」

 ボーイが、侮るように声を掛けてくる。然もありなん、大袈裟に見た所で、己などその程度だ。
 だから、精一杯。その、矜持を張り詰める。嘗められぬよう、格好のつくように────!

「“牡牛座第四星の教授(プロフェッサー・オブ・セラエノ)”……レイヴァン=シュリュズヴェリィに会いに来た」

 悪意と嘲笑を込め、更には害意を籠めて……嚆矢は、『頼れ』と言われた住所を訪ねた。全ては────

「『グラーキ』とか言うクソッタレの神を討つ。力を貸せ」

 対馬嚆矢は、ただ、それだけの為に!
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ