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無欠の刃
下忍編
過程
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 勝利を勝ち取り、さっさとこの場から逃げようとしていた湖面の背中に、声がかけられる。

 「勝利、おめでとう」

 思わず振り向いた湖面は、微妙に疲労しているらしいカトナの顔を見つつ、言う。

「…お前のとこのチームメイトに勝ったっていうのに、祝うのかよ」
「サクラの負けは、負け。仕方ない」
「案外シビアだよな、あんたも」

 その言葉に、カトナは首を少しだけかしげたが、湖面は気にせず、何気ない様子で話を続ける。

「で、何の用だよ。あんたみたいな人が、俺に何の用事もなく話しかけて来るとは思えないけど?」
「察し、いい。けど、私は、弟の、仲間なら、普通に、話しかける、よ?」

 その言葉に、湖面は一瞬、体を震わせたが、またいつものような飄々とした態度に戻る。

「で、何を聞きに来たわけ?」
「あのさ、他国とか他里の情報、詳しい、よね」
「ああ」
「印を使わない忍者って聞いて、誰が真っ先に思いつく?」

 その言葉に、すっと目を細めた後、湖面は自分の狐面を暫くガリガリと引っ掻いていたが、やがてすらすらとよどみなく答えていく。

 「木の葉なら、四代目火影の使う螺旋丸。砂なら、傀儡の術や風影たちが使う砂鉄を操る術が有名だな。ほかには…ああ、塵遁とかいうのもあったっけ。でも、あれは確か、血継限界だった気がするな。雷影も…なんか変な術使ってたなぁ」

 語られていく、普通ならば知らないような知識に、しばしば瞠目しながらも、カトナは頭に叩き込んでいく。やはり、自分がある程度考えていることは間違いないかもしれないと思いつつも、しかし、確証が持てず、どうしたものかと考えた時。

 「ああ、それと」

 「鬼の国の、巫女っていうのもいたな」


 

・・・


 「負けたか…」

 全力は出し切った。自分でやれることはやりきったはずだ。
 でも、負けた。なぜ負けたかは分かる。
 湖面は術の使い方に富んでいるからだ。下手したら、木の葉の里の上忍と同じくらい経験があるような、そんな動きをしている。いくつもの手立てを用意したが、そのたび、臨機応変に対処され、負けてしまった。
 湖面が使ってきた風遁に応対する為、苦無を使っての弾幕は、中々、良かったと思う。
 風遁は湖面の思い通りに仕えるとはいえ、チャクラを使った忍術での延長であると分かっていたから、それなりに対策をねれた。
 及第点は、とれる。仲間がいるなら勝てる。
 けれど、自分だけでは勝てない。

 「サクラ」

 呼びかけられ、反射的に体が竦みそうになるのをこらえる。
 サスケの話を勝手に聞いてしまったという負い目もあるが、何よりも、彼女の生い立ちに対して、未だに驚愕を隠せないでいるのだ。
 言われてみれば、ナルトの容姿
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