暁 〜小説投稿サイト〜
イリス 〜罪火に朽ちる花と虹〜
Interview3 鍵の少女、殻の悪女
「大事に隠しておくわけだ」
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的に左腕を押さえた。

 すらすらと人の秘密をしゃべる女を睨みつける。イリスはそれさえ微笑ましいといわんばかりだから、ユリウスはよけいに苛立つ。

「ユリウス。イリスは貴方のためを思って言っているのよ。貴方だってクルスニクの子なのだから」
「よけいなお世話だ! 貴女のような存在に心配されるほど子供じゃない」

 ユリウスは双刀ですぐ横のドームのガラスに斬りつけた。ガラスが砕け散り、ドームに穴が開いた。暴風が吹き込む。ビズリーの後ろのヴェルが身を竦めた。

 ユリウスはその穴から飛び降り、列車を脱出した。
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