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オズのムシノスケ
第十幕その四

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「早いわね」
「皆で楽しくお話しながら歩いていると時間が経つのが早いからね」
 こうです、かかしも言います。
「だからね」
「それじゃあ」
「今からお茶にしよう」
「そうしよう」
 こうお話してでした、そのうえで。
 皆一緒にです、その場に座ってです。 
 テーブル掛けを開いてお茶を飲むのでした、ドロシーが皆に出したお茶はレモンティーでした。そのレモンティーを飲みながらです。
 しみじみとしてです、カルロスが言うのでした。
「オズの国はやっぱりアメリカなんですね」
「アメリカの影響が強いからね」
「だから紅茶も」
「そう、レモンティーよ」
 お茶の時間に飲むものはです。
「それになるのよ」
「そうですよね」
「ミルクティーがあってもね」
「主流じゃないんですね」
「コーヒーかね」
 若しくは、というのです。
「レモンティーになるのよ」
「それでお茶の時間も」
「レモンティーで楽しむのよ」
 若しくはコーヒーで、となるというのです。
「それじゃあいいわね」
「はい、わかりました」
「じゃあ飲みましょう」
「そして食べて」
「お茶菓子はね」
 三段セットではありません、イギリスのティータイムとは違い。
「アップルパイにドーナツにね」
「それにですね」
「フルーツもね」
 それもでした。
「こうしたものよ」
「パイナップルにオレンジですね」
「フロリダのね」
「アメリカのティータイムですね」
「それでお茶の時間にしましょう」
 ドロシーはにこりと笑って皆に言いました、そうして食べられる人も食べる必要のない人もその時間を楽しみに入りました。
 その中で、です。ヘラジカさんもレモンティーを楽しんでいました。それと一緒に近くの草を食べつつ言うのでした。
「このレモンティー美味しいわね」
「気に入ってくれたのね」
「ええ、いい葉とお水ね」
「それにレモンもでしょ」
 ドロシーは笑顔でヘラジカさんに答えます。
「そちらもでしょ」
「そういえばね」
「レモンティーは葉とお水とね」
「レモンもいいものがあって」
「美味しくなるから」
「その三つがいいから」
「この味になるのよ」
 そうだとヘラジカさんにお話するのでした。
「だからね」
「私もこのレモンティーを飲んで」
「楽しんでね」
「ええ、わかったわ」
「今の貴女はね」
 そのヘラジカさんはといいますと。
「笑顔になってるわ」
「あら、そうなの」
「にこにことして飲んでるわよ」
 そのレモンティーをというのです。
「とてもいい笑顔でね」
「そうなの」
「自分ではわかってなかったのね」
「ええ、美味しいと思うだけでね」
 そうした感情はというのです。
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