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緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
燃える銀氷
29弾 武装巫女
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 星伽白雪は大和撫子である。

 艶やかな黒髪ロングの、おしとやかで慎ましい、古き良き日本の乙女。

 炊事・洗濯・掃除・裁縫が得意で、誰にでも分け隔てなく優しい、良妻賢母の卵なのだ。

 ……本来は、な。

 鬼のような形相で日本刀を振り上げて、

「あ、あ、アリアを殺して私も死にますぅー!」

 なんて叫ぶことは、決してない子なのだ。

 ……普段は。

「だから何であたしなのっ!人違いよ!」

 英国が誇る名探偵シャーロック・ホームズ卿の曾孫、ホームズ四世こと神崎・H・アリア様にも、この巫女さんが何で自分の(タマ)を取りに来たのか、まったく分からないらしい。

 ここで一度、今までの流れを振り返ってみよう。

 ・合宿から帰ってきた白雪から俺に、『女の子と同棲してるって本当?』から始まる49通ものメールが送られてきた。

 ・白雪さん本人ご登場。

 ・で、アリアを見つけるなりバーサーカーモードに突入。

 以上。

 ……そりゃこれだけのことから分かれってのも無理があるよなあ。

「あのな白雪、お前は勘違いを――――」

 セリフの途中でアリアに蹴飛ばされた俺は哀れにも廊下の壁に激突し、しばらく悶え苦しむのであった。まる。

 しばらく過呼吸ってから、俺はアリアに抗議する。

「何しやがるんだよ!あっぶないだろうが!」

「うるさいわね!あんたのせいでこの変なのが湧いたんだから、あんたが早くなんとかしなさいよ!」

 なんとかしようとしたらお前が蹴飛ばしてきたんだろうが!

「み、ミズキくんを蹴飛ばした挙句に、責任まで押し付けるなんて……ミズキくんは悪くない!悪いのは――――アリア!アリアが悪いに、決まってるんだからああああああああ!!!!!」

 ア リ ア が燃料を放り込んだせいで更に爆発する白雪の怒り。このままだと、本気でアリアを殺りかねない。

 と思っていたら、その予感が見事に的中した。

「天誅ッ!」

 白雪は持っていた日本刀――――色金殺女(イロカネアヤメ)をアリアの脳天めがけて振り下ろす。寸止めする気配などまるでない。完全に、殺る気だ。

「み゛ゃ!」

 しかしそこは流石のアリア。猫科の珍獣みたいな声を上げて、両の掌で刀を挟み止めた。

 真剣白羽取り。格闘技の達人のみが行える奇跡の芸当。そんなものまで含まれるってバリツってどんだけ手広なんだよ。

「こんのっバカ女!」

 アリアは刀を押さえたまま、器用に白雪の右腕に両脚を絡ませそのまま捩じ上げる。

バーリ・トゥード(バリツ)――――!」

 アリアの流派を即座に見抜いた白雪は、かつんッ、と下駄を鳴らして床を蹴り上げ、アリアを腕に絡みつけたま
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