暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン コネクト
Act_0 《Hello World》
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護衛《ガード》と言う仕事がある
物資を運ぶ商団を守るべく雇われる腕利きの集団を指す言葉だ

その存在は──この《死のゲーム》でも、確立されていた

命賭けの探索で誰もが怯える中、
金さえ出せばどんな場所でも護衛として依頼主を守る存在
MMOの歴が浅いユーザーに対しては、彼らほど心強い存在は無かった

勿論、中には法外な値段をぶつけてくる輩も居る
しかし、この閉鎖的な世界でその様な存在は自然と排他されていくものだ

1万人──この《ソードアート・オンライン》からログアウト出来なくなった存在の数
そして、その頭数は全百層ある中の一層に全て凝縮されている
人の言葉は風よりも早い
故に、その評価は勝手に肉付けされ、そのまま護衛1人に対する評価として浸透する
気がつけば、護衛の格付けなんてものもされている始末であった

そして──

「スイッチ」

此処にも、1人

後衛から前衛への《スイッチ》と呼ばれるPTプレイの1つ
1層の迷宮内に蔓延る《コボルト》と呼ばれるモンスターに対し、後衛から前衛へとスイッチした男は、軽やかに全体重を乗せた一閃で、見事に《コボルト》を一刀両断した

場所は一層内迷宮内
2人の男が、そこにいた
黒のジャケットに身を包んだ剣士──キリト
キリトを護衛するよう依頼された──アキラ

前衛をキリトへ任せ、アキラは無心でコボルトの数を頭に入れる
──凡そ、6匹
この2人ならば十分蹴散らせる圏内である
何しろ、黒の剣士は強かった
それこそ、護衛など要らない程に強い
AIの行動パターンを熟知し、それに対する最適な解答を叩き返し、一閃
一閃すれば、必ず敵が倒れる
見とれる程に凄まじい剣筋と、才能だった

「マップデータの収集はどうだ?」

「ん、上場だよ」

キリトからの返答に「そうか」と一言返し、
アキラは目の前で小斧を振り被る《コボルト》の首を刎ねた
寸分狂わず首だけを狙い、パッと光の粒子となって消える《コボルト》を一瞥すること無く、左から此方へ向かう2匹の《コボルト》へと向き直る

人の上半身を狙うような、1匹目の大振りな斧の一撃をスウェーのみで回避
横へ小斧を振り被った姿勢の《コボルト》の腹に刃を押し当て、2匹目が武器を振り下ろすよりも早く、股から脳天を一撃でカチ割った
刃に付いた血を払うように、一度大きく剣を振り払った後、片手剣を収める鞘へと収める
背後で光となって消える2匹の《コボルト》へ意識を向けることも無く、アキラは《コボルト》を蹴散らしたキリトへ回復Potを投げ、歩き出す
その後を付いていくキリトは、アキラの腰に帯刀するように下げられた鞘へと目を向けた

何処にでもある一般的な片手剣であるロングソード
本来の
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