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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第二十二話 心、晴れ、空翔けて
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/Fay

 鐘を叩く音がして、まさにみんなで飛び出そうとした城門が閉じちゃった。
 うう、向こうの対応としては正しいんだけど。こうなったらもういっそ、〈妖精〉の力で壊しちゃおうか?

「5ヶ所の制御石を復帰させれば、ロックを解除できるかもしれません」
「ホントっ?」
「石にマナを注いでください。石が完全に赤く輝いたら、完了の合図です」
「ガンダラ要塞の時と同じ要領か」

 ガンダラ要塞の攻略でいなかったエリーがティポと一緒にハテナマーク。ごめんね、後で説明するからっ。

「ただし皆が近いタイミングで完了させなければ、ロックは解除できません。この中でマナを扱えるのはヴィクトルさんを除いて5人。……ギリギリでしたな」
「すまない。肝心な所で役立たずで」

 パパ……

「せめて兵士を足止めしよう。後は頼む」
「ご安心を。すぐ終わらせます」

 パパは双銃を出して走ってった。

 ローエンに言われて、急いで石板の前に行く。隣にエリー。向こうのはイバルとクレインさま。城門に一番近い石版の前にローエン。
 これにマナを充填すればいいのよね。呼吸とおなじくらいカンタンだ。

「――できた」

 ジャスト5秒。うん、いいウォーミングアップになった。

「できました」
『こっちもー♪』「できた、です」
「こっちも終わったよ」

 ローエンもエリーもクレインさまも終わったみたい。あとはイバルだけなんだけど。
 イバル? どうしたの? 顔、真っ青だよ。石版も全然光ってないし。

「……んで、何で! 何でできないんだよくそ! 俺は巫子なんだぞ!? この世の精霊の主ミラ様の、たった一人の従者なんだ! 特別な、選ばれた人間なんだ!! それが、この、これしきのことで――っ!!」
「――落ち着いてください、イバルさん」

 わたしたちには背中しか見えないけど、きっととっても優しい顔をしてるって分かる声。
 クレインさまがイバルの前の石版に、イバルと重ねるみたいに手をかざしてた。

「できなくては確かに困ります。ただ、『できない』からといって、イバルさんが駄目な巫子ということにはなりません。選ばれていようがいるまいが、人間にできることなんてちっぽけなものなんですから」

 目からウロコ。今のイバルはそんな感じ。

「集中してください。少しずつで構いませんから」
「あ、ああ」

 二人が揃ってマナを注いだ石版は、すぐに赤く輝いた。
 やった! 城門のロック解除!

「パパ!! 門開いたー!!」

 パパは銃撃戦の中にいる。ちゃんと聴こえるようにおっきな声で伝えなくちゃ。

「ヴィクトル!」『急げー!』

 遠目に白い甲冑の兵隊さんがバタバタ倒れて、銃声がやっと終わる。こっちに
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