水を留めし少年
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「まだかよ、街は!!」
「知らん」
「ここどこだよ!!」
「知らん」
「いつ着くんだよ!!」
「知らん」
だだっ広い平原、背中から照りつける太陽、綺麗な地平線。
「イフリートさん?」
「ん?」
「こっちであってるのかよ!!」
「知らん」
その時アカネの何かがぷっつりと切れた。
「なんなんだよお前!お前が特になんにも言わないからずーっと真っ直ぐ歩いてきたけどそもそもどっちかもわかってなかったのかよ!?」
「私が知ってるこの世界とは随分変わっている、道など知らん!」
そう言うと、ふところから細長めのタバコを2本取り出し一辺に咥えて吸いだした。
(なんだよ、こうなるとこいつ喋ってくれないんだよなぁ、てか精霊の王がヘビースモーカーで大丈夫か?)
「なあ、アカネ」
「珍しいな、何?」
「今時の雨ってのはあんなに大粒なのか?」
「は?」
振り返ると自分の身長サイズの水の塊がこちらに向かって急接近してくるではないか。
雲なんてそもそもなかったし、あんなところに人影なんてなかった。
てか
「やばいやばいヤバイヤバイ、イフリート!とりあえずあれ蒸発させて!」
「あいよ」
吸っていたタバコを一本水塊に放り投げると、そのまま炎の膜となって包み込み『ジュー』と音を立て消えてしまった。
「ついでにこれもやるよ!」
そう言って残りのタバコを水塊の出処に放つ。たちまち大きな火炎となった。
『ボワッ……ジュー…』
「おい、今なんかに当たったぞ」
見えない何かに当たったタバコは音を立てるとともに消えてしまった。
「おい!出て来いよ『ウンディーネ』」
「げっ、ばれてたの?仕方ないわね、いいわよ、、えいっ」
途端に景色が変わる。
アカネたちのいる平原部分はそのままだが、眼前には活気溢れる街の門が構えていた。
その開いた門の中心には一人の少年と上半身だけの女性が立って(?)いた。
「もう酷いよイフリートちゃん♪ 私が細かい水滴になって、あなた達の視界を歪ませてたの気づいてて…下半身全部蒸発させちゃうんだから??」
「自分で全部説明しといてそれは自業自得ってやつだろ、あのタバコまだ吸えたのに…もったいない」
そう言うとまた新しいものを取り出し吸い始め黙ってしまった。
(あーイフリートのやつ絶対あの人って知らずに撃ったなあれは)
「で、えーっと…」
「アオトだ」
「お、おう、俺は、、アカネ、こっちがイフリートね」
離れた場所でタバコを吸っていたがぶっきらぼうに手を振って見せた。
一応聞いてんだな。
「ウンディーネが仲間がいると言うからどんな奴が主かと思ったがイフリートに頼っているだけじゃないか」
アオトが何を言
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