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日向の兎
1部
25話
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「ふむ、中々いい湯ではないか」
「そうねー」
「そ、そうですね」
「サクラよ、そんなに離れなくてもいいだろう?」
いやはや、偶然とはいえカカシ班と同じ宿に泊まるとはな。
そういう訳でこうして第七班のサクラと露天風呂に入っているのだ。
「そんなに怖がらなくていいよ、サクラ。ヒジリって取り敢えず思考の方向性は危ないけど取り敢えず取って食うっていうような人間じゃないからさ」
「テンテン、全くフォローになっていないぞ?」
「いいじゃん、本当の事なんだからさ」
「は、はい」
サクラはおずおずと私の方に近づいてくると、私の方を何とも言えない視線でじっと見てきた。ふむ……風呂の中ということもあって心拍数やらが読めず、イマイチ感情やらが正確に読めないな。
「あ、あの、ヒジリさん」
「なんだ?」
「サスケ君とはどういう関係なんですか!?」
「サスケと?そうだな……遊び相手と相談相手といったところだろうな」
「そうなんですか……」
「安心するといい、私とサスケは君の勘繰るような関係では断じてないよ」
「はぁ……」
「ふーん、確かにサスケ君ってアカデミーでよくモテるって噂になってたからね。そういえば、ヒジリって男子とも普通にいるけどそういう色恋沙汰って全然聞かないんだけど、実際どうなの気になる男子とかいるの?」
テンテンは意地の悪そうな笑みを浮かべて私に話を振って来た。どうやらあまり触れる事の無かったこの手の話題なら私を動揺させられるとでも思ったんだろうが、生憎と私は今のところそういう感情を持っていないし持つつもりもない。
「いないな。そもそも色恋沙汰なぞ子が産める歳になってからの話だろう?」
「だよねー、ちょっとでも動揺してくれるかと思った私がバカだったよ。サクラ、こんな人間にはなっちゃダメだからね」
「はい、流石にこれはないと思いましたから」
…………随分な扱いだな。とは言え、恋愛の価値観など十人十色だろうよ。他者からの同意が得られるなど思っておらんよ。
「そういえば、サクラ。一つ聞いてもいいか?」
「はい、いいですよ」
「サスケは写輪眼を任意で扱えるようになったのか?」
「えっ!?知ってるんですか?」
「サスケがあれを使いこなせるようになる事を目的に相手をしていたのだ、写輪眼を扱えることは知っている。
しかし、私が相手をしていた時は戦闘が始まってからしばらく時間が経たなければ使えなかった。だから、一体何処まで成長したのかを知りたいのだ」
「そうですか……多分、出来るようになってます。再不斬と初めて会った時にサスケ君だけがカカシ先生と同じように反応できたし、水分身とはいえ体術だけなら互角に渡り合えてましたから」
ふむ、慢心があったのは確かだろうが上忍相手に拮抗できたというのは随分な成長だな。一度相手
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