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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第二十一話 謁見、二つの王道
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/Elise
イスラさんから貰ったコートを着込んで、コートの中にはティポを入れてあげて、完全防寒。
なぜかというと、ただ今わたしたち、モン高原を犬ゾリならぬ魔物ゾリでせっちゅーこーぐん中だからです。
イバルが獣隷術っていうのでアイスウルフにソリを引いてくれるよう頼んだんですって。
イバルが御者をするソリにはわたしとアルヴィン。ローエンが御者をするソリには、ヴィクトル、フェイ、クレイン。別れて乗りました。
……くやしーけど、イバルの舵取り上手です。ヴィクトルたちのほうのソリ、はぐれず付いて来てますもん。
――闘技場に行った初日の事件から、ヴィクトルとフェイとクレインの仲は、何だかぎこちなくなりました。
いいえ、正確に言うと、ぎこちないのはフェイだけで、ヴィクトルとクレインはいつも通りにしてます。
ただ、わたしにはどうしても、二人が顔を合わせると、青い電気を飛ばし合っているようにしか見えないんです。フェイはそんな二人を見てハラハラしてる。
「そりゃあ血の繋がり抜いたら立派な三角関係だからなあ」
アルヴィンは一言目に言った。
わたしからアルヴィンとイバルに言ってみた。しんしん雪が降ってきて、寒くて、何か話してないと眠ってしまいそうだったから。
「今があと何百年か前で、ダンナと雪ん子が貴族か部族なら父娘婚もアリだっただろうけど、今は現代で二人ともフツーの人だからなー。となると逆に若様が貴族だからフェイは身分違いの恋になっちまうし。フェイも困りたくなるだろーよ」
「だったらいっそ両方振れば万事解決じゃないか?」
「イバルっ。それができないからフェイは悩んでるんですよ」『フェイは二人とも大好きなんだもん!』
「それをこそ二心といって、一番ドツボに嵌るパターンだろうが。百歩譲って父娘であることに目を瞑っても、真実好意があるなら片方を選べるはずで、誠意があるなら両方を拒絶できるはずだ」
「おお、巫子どのが男らしい」
「――とミラ様に差し上げた本の中にあった」
「ハイ残念賞〜」
「どういう意味だ!」
あわわ! イバル、前見てください、前!
/Victor
カン・バルクの黒門前にて、イバルがアイスウルフの群れに礼を言って野に放った。
適当な宿を取って、雪ゾリを置く。そうして身軽になってから、我々は王城へ向かった。
城門前には王に謁見を求める民衆が列を成していた。兵士にフェイの名を告げると、何とその長蛇の列を抜かして我々の謁見が許された。
王城の中に通される。エリーゼやイバル、さらにローエンまで、城の中を物珍しく見回していた。
クレインは――緊張しているらしい。ずっとわずかに俯いて無言のまま。一国の王に計画のための嘆願に来たんだ。しか
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