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三つのプレゼントの恋
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第一章

                          三つのプレゼントの恋
 速水信吾はこの時どうしていいかわからなかった。はっきり言えば悩んでいたのだ。
「どうしようかなあ」
 商店街を見ながらあれこれと悩んでいる。悩んでいる原因は実は彼自身にあるのではない。
 他に理由があった。その理由とは今付き合っている彼女のことである。
「あいつ、何を気に入ってくれるかな」  
 水谷美智子。彼が今付き合っている彼女の名前である。同じ学部の同じ科にいる。入学式の歓迎コンパで知り合ってそれから自然と付き合いをはじめている。
 明るくて屈託のない女の子だ。彼は丁度高校時代の彼女が地方の大学に行って別れてしまったので寂しい思いをしていた。そこで知り合った女の子なので抵抗無く交際に入ることができた。
 その彼女の誕生日。一体何を買おうか迷っていたのだ。
「問題はだ」
 ショーウィンドゥを見回して考えている。
「何がいいのかだよなあ。本当に」
 それ次第で喜んでくれるかどうか。これからの付き合いにも関わってくる。だが何を買うのかどうしても決められないでいたのだ。
 だがどうしても決めなくてはいけない。買うのは一つだ。これは予算という非常に現実的な問題のせいであった。学生の身分でそうそう派手な買い物はできはしない。
「さてと」
 いい加減決めようと思った。商店街を見回す。
「問題はだ」
 ここで一つ彼にとって非常に厄介な話があった。
「何を買うか、だよな」
 それであった。まずは何を買うか。それが大問題であったのだ。
 だがこれといって考えが浮かばない。あれこれと考えながら決断しかねていた。
 しかし何時かは決めなければならない。それで彼は何とか決めた。
「よし」
 入ったのはアクセサリーショップであった。そこで何か買うつもりであった。
「いらっしゃいませ」
 身奇麗な店員さんがにこやかな笑顔で出迎えてくれた。何か彼女よりも奇麗な感じである。
「何をお求めですか」
「実は」
 彼はその奇麗な店員さんに事情を話した。
「彼女へのプレゼントで」
「プレゼントですか」
「ええ、誕生日なので」
 彼は答えた。
「何がいいですかね」
「そうですね」
 店員さんは右の人差し指を顎に当てて目を上に向けて考える顔を舌。暫くしてから信吾に答えた。
「今月生まれですよね」
「ええ」
「それでしたら」
 店員さんはまずは一つ出してきた。
「これはどうですか?」
 紹介してきたのは紫のネックレスであった。
「ネックレスですか」
 見れば透き通ってやけに奇麗なネックレスであった。光を反射してそれがさらに美しく見える。
「はい。二月の誕生石はアメジストなんです」
「そうだったんですか」
 宝石とかそう
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