暁 〜小説投稿サイト〜
青い春を生きる君たちへ
第1話 転校生
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通の高校生活は憧れだったはずだった。なのに何故か、この新品の制服も体に馴染んでいるような気がしないし、この先に待ち受ける“普通”に、自分が馴染める気もしない。

あの吹き溜まりに慣れちまって、俺自身もそこに溜まるのがお似合いの、ホコリか何かにもなっちまったのか。

小倉が内心で呟いたその時、自分の脇をするりと人がすり抜け、教室に入っていった。あまりにも軽やかな動きだったので、小倉は目を奪われる。まるで自分の事など全く気にも留めていないようで、実際その小柄な少女は小倉のことなど一切気にかけていなかった。

ショートの黒髪は艶やかで、形良く尖った顎、スッと伸びた鼻筋、薄い唇、白い肌が?だけ赤く火照っている。その姿は、美少女と表現しても差し支えないものだったが、小倉はその容姿よりも、その目つきに目を奪われた。
まるでモノを見るような目。血の通ってない目つきをしていた。

ほう、ここにも、こんな目をする奴が居るんだな。

小倉はやや感心しながら、ドアをくぐった。






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