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オズのムシノスケ
第八幕その八
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「ひょっとしたらだけれど」
「そうですか」
「今では死の砂漠も大陸の端に移って」
 そうしてリンキティンク王の国もローランドや他の国もオズの国に入っているのです、そうしてオズの国で皆仲良く暮らしているのです。
「リンキティンク王もオズの国の人になったけれど」
「そうした国の生まれかも知れないですね」
「そう、あくまでひょっとしたらだけれど」
 そうではないかというのです、ドロシーも。
「実際のところはわからないけれど」
「本人もわからないですし」
「これからも調べてみるよ」
 教授も言います。
「何分資料がないけれどね」
「あの子のことは」
「本当にいつも急に出て来るからね」
 迷子になっているか寝ているかです。
「だからね」
「中々、ですね」
「そう、彼についてはわかりにくいんだ」
「そうですか」
「それでも調べられないことはないよ」
 教授はこのことは絶対に、と言うのでした。
「この世にはね」
「ないんですね」
「そう、ないよ」
 そうしたことはとです、教授は微笑んでそのうえで五人の子供達にもドロシーにも言い切るのでした。その強い声で。
「この世には絶対にわからないということはないんだよ」
「何でもわかるんだね」
「努力すればね」
 教授はトトにも答えました。
「わからないことはないよ」
「ボタン=ブライトのことも」
「そう、だからね」
 必ずというのです。
「彼のこともわかるよ」
「調べていけば」
「じっくりとね」
「そうなんだ」
「だから調べていくよ」
「頑張ってね」
 トトはその教授にエールを送るのでした、そしてです。
 一行は大学に戻って行きます、そうして夜になってです。
 皆休息に入りました、ドロシーはテーブル掛けを開いてそこからビーフシチューにロシア風のマヨネーズをたっぷり使ったサラダにです、白身魚のフライとパンを出しました。
 そのサラダを見てです、恵梨香達四人は少し驚いた顔になって言うのでした。
「何か違いますね」
「普通のサラダとは」
「どうも」
「妙に」
「そうかしら」
 けれどナターシャはこう四人に言うのでした。
「サラダはこういうものよ」
「ううん、何かね」
 カルロスは首をひねってそのナターシャに言葉を返しました。
「ポテトサラダとはまた違って」
「どうっていうの?」
「濃いね」
 そうしたサラダだというのです。
「レタスとか海草とかトマトの。僕達が普段食べているサラダとね」
「むしろ私にとってはね」
「ナターシャにとってはなんだ」
「そう、皆が食べているサラダの方がね」
「違うんだ」
「これがロシアのサラダなのよ」
 マヨネーズをたっぷりと使った濃いものがというのです。
「だってカロリー摂らないと」

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