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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第十四話 二人目の“鍵”
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んだから。

 わたしが気配を追えるから一番に走って、みんなはわたしに着いて来てくれた。





 ドアをみんなで潜り抜けた先は、何かの実験場みたいだった。

 ポットに人が一人入ってる。なに、これ。何なの、このマナの放出量! フェイならともかく、普通の人にできることじゃない。それに中の人、ヒメイ上げてるよ。

霊力野(ゲート)の活動、赤色域に突入。瞬間放出量で58万5千レールを記録しました』

 実験員以外にも、あのジランドも階段から見下ろせる位置にいた。

「ふふふ。素晴らしい――」

 ぐっ、え……! 膝を突いて口を押さえた。
 また、あの時と同じ。フラッシュバックする。エレンピオスの大精霊に寄ってたかってマナを奪われてた日々のキオク。

「フェイさんっ」
「おい、雪ん子」
「誰だ!?」

 まずい。気づかれた。立って、立つのよわたし。こんなことで揺らぐのは〈マクスウェル〉じゃない。

 顔を挙げた。あれ? 人の走る音……2つ、3つ。フェイたちがいるのと同じくらいの高さからしてる。

「雪ん子、もう大丈夫。お前の最強のパパがお出ましだぜ」

 ガラスで仕切られた回廊に、パパと、イバルとドロッセルさまがいた。よかった! 無事だったのね。
 よおっし!

 階段を下りるんじゃなく、飛び越える。普通なら足を痛める高さだけど、浮きながら降りたから平気。ふわって裳裾が一拍遅れて落ちた。

「今すぐその実験をやめてください。でないと、イタイ目を見るのはあなたたちのほう。その中の人と同じ数だけ寸刻みにしてあげる」

 室内なのに、風属性のマナのほうが使いやすい。きっと後ろにクレインさまがいるから。


「――ふん。茶番だな」


 わたしたちが入ったドアとは違うほうから、ぬう、っとその人は現れた。

 大きい。体格はもちろんだけど、どしんと構えてるっていうか、落ち着いてるっていうか。

「ナハティガル王!」
「実験に邪魔が入ったのか?」
「いえ、すでにデータは採取しました」
「よくやった」

 ……よくやった? あんなヒドイことを見て、イタがる人を見て、「よくやった」って言ったの!?

 感情が精霊術に変わる。久々の感覚。イメージが、こう在れと願うカタチが、現実に結ばれた。
 風の刃が、何重にもおっきい王様を斬りつけた。
 斬りつけた、はず、なのに。

 おっきい王様はちっとも堪えてない。服は破れてるけど、ダメージが、ない。寸刻みにするくらいのカクゴで発動したのに。本当に人間!?

「この程度で精霊の主だと?」

 おっきい王様はわたしのすぐ前に来て、わたしの頭を掴んで壁へ投げつけた。

「笑わせる!」
「きゃ…あああああああああ
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