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オズのムシノスケ
第八幕その一
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             第八幕  二人と合流して
 皆で一緒に大学に戻る中で、です。恵梨香は少し首を傾げさせてそのうえで教授に対して尋ねることがありました。
「オズの国ってさっき通った場所でも次の日に通ったら全然違うってことありますのね」
「うん、何かとね」
「この道にしても」
 黄色い煉瓦の道もです。
「この前は象さんが寝ていましたし」
「今はいないね」
「はい、他にも蔦があったりしましたよね」
「眠り草があったりもしたね」
 教授はかつてドロシーを困らせたこの草のことをお話しました。
「崖もあったり」
「本当に色々変わりますよね」
「君達の世界もそうだけれど」
「何でも変わるんですね」
「それがオズの国では早いんだよ」
「変わることが」
「そう、それがオズの国なんだよ」
 そうだというのです。
「この国はそうした国なんだよ」
「マンチキンにしてもですね」
「そうだよ、ただね」
「ただ、ですね」
「変わらないものもあるよ」
 あらゆることが変わるこの国でもというのです。
「色とかはね」
「マンチキンの青がですね」
「そう、変わらないんだよ」
 全く、というのです。
「それぞれの国の色はね」
「青はですね」
「そうだよ、変わらないものもあるからね」
「変わるものもあれば変わらないものもあるんですね」
「全く変わらないというものもないけれど」
 その変わらないものもです。
「人間の目から見ればね」
「変わらないってことですね」
「徐々に、凄くゆっくり変わるものもあるんだよ」
「オズの国でも」
「そうだよ、けれどオズの国もね」
 この国というのです。
「私が最初の旅をした時と比べたら本当に変わったよ」
「私が最初にオズの国に来た時はね」
 ドロシーがお話するのはその時からのことでした。
「もっと人が少なくてわからないことも多くて」
「オズの国のことでも」
「ムシノスケ教授にも会っていなかったわ」
 その教授を見て言うのでした。
「マンチキンの国もね」
「あまり開けていなくて、ですね」
「悪い魔女もいたのよ」
 ドロシーのお家が上から落ちて潰されたその魔女です。
「その時と比べて本当に変わったわ」
「食べものなんか特にですね」
「そう、和食も中華料理もなくて」
 それに、というのです。
「シェラスコなんかもね」
「なかったんですね」
「本当に変わったわ」
 実にというのです。
「オズの国もね」
「しかもすぐに変わるのだよ」
 オズの国はとです、教授もまたお話します。
「だから昨日通った場所でも変わっていたりするのだよ」
「じゃあこのまま歩いていって」
「うん、何もなかった場所に何かあったりするのだよ」
「そういうことですね」
「だ
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