暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
聖夜に捧ぐ『フローエ・ヴァイ・ナハテン』〜クロスクエスト〜
第三幕
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「……ッ!」

 氷の刃が煌めき、漆黒のフード姿を切り裂く。角の生えた奇怪な怪人は、それだけであっさりと絶命した。だが、その数はなかなか減らない。目算で、あと十三体。

「……多すぎ……」

 ミヤビはため息をつきそうになるのをこらえ、今度は左手に装備した薙刀を振るう。同時に、右手に握った氷の片手剣を投擲。再生成、再び投擲。ヒットした傷口が凍り付き、再生を阻む……が、そんな利点はお構いなしに、トナカイ怪人はあっさりと死亡する。なんというか、拍子抜けするほど個々は弱い。

 《薙刀剣》と《凍氷剣》のコンビネーションは、SAO時代と何の遜色も無く機能している。だが、気になることは多い。

 ――――《心結び》が、使えない。

 ミヤビのステータスをキリトのそれと統合し、最高の力を発揮するためのスキルが、機能していない。所有者であるキリトがいないのだから当然と言えば当然なのだが、戦力ダウンは避けられない。

 それに――――寂しい。キリトとつながっていないという現実が、不安感をもたらす。

 それでも、勤めて無視して武器を振るう。

 《天宮》の言動からして、どうにもこの世界はミヤビがキリトへの『クリスマスプレゼントを獲得する』ことの為だけに存在するという、なんとも阿呆らしい場所だ。再現度はSAOを優に越し、アンダーワールドすら超越している。それを、クリスマスプレゼントを、しかも実力で取らせるためだけに用意するとは。

 《天宮》が言っていることをそのままと取るなら、恐らくクリスマスプレゼントはミヤビが願っているモノが出現する。そしてそれは、このトナカイ人間たちを殲滅した先で、報酬のような形でもらえるのだろう。もしくは、何らかのボスからドロップする、とか。

 あの男、一体何者なのか。『《神》の化身』と名乗っていたが、ミヤビが知っている《神》はあんな人間ではない。ならば名を騙っているのか? いや、そうとも考えづらい。世界一つを丸ごと《作成》するなど、《自我結界》とは根本から概念が異なる。

 おそらくは、ミヤビが普段行動している世界とは、『別の世界の《神》』。

「きぇぇぇっ!!」
「――――ッ!」

 とびかかってきた怪人に向けて、氷の剣を飛ばす。さらにホールドしていた片手剣を抜き放ち、《薙刀術》ソードスキルを起動させる。

 高速で振り払われた薙刀が、怪人たちを切り裂く。一瞬の後、片手剣がさらに追い打ちを掛けた。目にもとまらぬスピードで打ち込まれていく薙刀とロングソード。

 第三者視点から見れば、刃が舞っているようにも見えただろう。 

《ホープネスレス・ディザスティング》、十八連撃。自分の目の前にいる敵一帯を、無差別に攻撃する、範囲殲滅攻撃。
 
 
 全ての攻撃が終了した時、ト
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ