暁 〜小説投稿サイト〜
グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第6話:嫌よ嫌よも、好きのうち……なワケないだろ!
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
何で今更なんだろうか?

「殿下も知ってると思いますが、陛下への謁見で時折現れる馬鹿が居ます」
ああ居るなぁ……父さんが一番嫌う願いをしてくる馬鹿が。
「それは“力試し”の連中ですか?」

「はい。陛下の強さは世界に知れ渡ってます。この世界を平和に導いた立役者ですし、勇者様の父親で……しかもその勇者様すら勝てた事のない猛者ですから。それに当の勇者様が、各国で戦いを挑まれる度に『いえ私などより、私の父の方が強いんです。一度も勝てた事がありませんから』と爽やかに言い回ってる為、世界中の人間がグランバニア王の強さを体験する為に集まってきます」

あれ……もしかしてウルフ君……怒ってるのか?
仕方ないじゃないか! 僕だって一々戦うのは面倒臭いし、父さんに勝てないのは事実なんだから!
父さんが怒るのは解るけど、何でウルフ君が怒ってるんだ?

「陛下は大層面倒臭がり屋様でいらっしゃいますから、『世界一の強さを誇る男と戦いたい!』とか『俺の方が強い! それを証明してやるから俺と戦え!』とか言ってくる御馬鹿様を御自ら相手する事は稀です。ですから殿下も陛下の命令で戦わされた事があるでしょう、謁見の間で」

うん、ある。『え〜めんどくせー……ティミーがやってよ、ってかやれ!』と言われて相手した事が何度もある。
「殿下が不在の時も、その手の愚か者が多数居りました。酷い時には1日に3名も……」

「それはそれは……ご苦労様です陛下(笑)」
僕は父さんのゲンナリした顔を思い浮かべ、笑いながら労いの言葉を呟いた。
しかし……

「笑い事じゃねー!!」
ウルフ君の激しい怒りを浴び、正直驚いた。
本当に何があったんだろう?

「このオッサンが素直に3人と戦う訳ねーだろ! 『え〜3人は面倒臭いよぉ……先ずは3人が同時に戦って、勝利した人と戦うぅ〜』って、その場でバトルロイヤルさせたんだぞ! 謁見の間だぞ……謁見する為の場所で大柄な男3人が、手持ちの武器を振り回し始めたんだぞ!」
そ、それは……

「絨毯はグチャグチャになり買い直し……壁は傷だらけ、扉は破壊され、芸術性の高い彫刻や絵画はもう……」
そこまで言うとウルフ君は下を向き振るえる……そして……
「あそこで暴れる事を許可するな馬鹿! この馬鹿!!」
相当酷い状況になってたんだろう。ウルフ君の怒りは未だに収まらないみたいで父さんに罵声を浴びせかける。

「……し、失礼しました殿下」
「い、いや……別に……大丈夫です」
自分で言ってて変だと思う返答。でも何て言えば良いのか……

「謁見の間は、その日のうちに業者を呼び直しましたが、彫刻や絵画は直しようがなく今は何も飾ってない状況です。今まで陛下に挑戦をしてきた者は、本人が言うほど実力がある者は皆無だった為、謁見の間が破
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ