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雲は遠くて
62章 信也の妹の利奈も、東京にやって来る?!
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なさい』と言ってくれた、オヤジ。・・・

 信也は、いつも頼もしく男らしい容姿の、父の裕也をそう思いながら、ぼんやりと見る。 

 川口裕也は、韮崎市内で、従業員数、約80名という会社を経営している。
精密加工を主とする会社で、順調に業績を伸ばしていた。
しかし、長男の信也は、社長が父であるその会社に入社することを、
親の七光りとかで見られることをイヤがって、
大学卒業後、山梨に帰ると、実家から近い、別の会社に入社したのである。
そんな信也のわがままにも、『進路は自分で選べばいい』と寛容な父であった。

「信也さん、このマンションはなかなか、いい所だわね。下北沢の駅までも、
8分くらいなんでしょう?」

 広美がそういって、信也と美結に、母親らしく微笑んだ。

「ここは便利なマンションで、ほかへ引っ越す気がしないんですよ。あっはは
下北までは8分くらい、池の上駅(いけのうええき)だと、
歩いて5分ですからね!あっはは」

「ここの家賃が13万円というのは、山梨に比べると、高い気もするけど、
3人で仲よく暮らせば、シェアハウスより、快適で、しかも家賃も安いのかな?」

 父の裕也がそういって、お茶を飲む。みんなは、明るくわらった。

 信也のマンションには、6.5畳の洋間が2つある。
1つは信也の部屋、もう1つは美結の部屋であった。

 2つの洋間の南側には、掃出しの窓がある。
その外はベランダで、洗濯ものも()せる。

 いま、家族が楽しく語り合っている、9.5畳のリビングは、
冬は暖かで、夏は涼しい、ウールのカーペットが()いてある。
テーブルは、寝転がれる床座(とこざ)で、

 ひのきのローリビングテーブル(座卓)であった。
高さ25センチのTVボードの上には、40型のテレビがある。

 システム・キッチンは、リビングの北側の引き(ひきど)()しにあり、
リビングの西側には、洗面所とバスルームが独立してあった。

≪つづく≫ --- 62章おわり ---



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