暁 〜小説投稿サイト〜
グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第3話:持つべきものは良妻賢母
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
…能力・人柄共に当てに出来る人材が側に居なかったの」
た、確かに……俺が軍に入った頃の大臣は、実戦経験がない貴族出のヘタレだった。

「リュカは時間をかけて優秀な者を中央に集めてたのよ……例えばピピン大臣の様に、平兵士から直ぐに隊長に押し上げ、大隊長へ……そして大臣へと押し上げたの。彼が能力も人柄も信頼できる人物だから」
後ろに居るんですけどぉ〜……そんな褒められると恥ずかしいんですけどぉ〜!

「貴女達の彼氏……ウルフ君も、リュカは凄く信頼してるの。だってグランバニアに来て早々に国王主席秘書官よ。直属の上司が国王だなんて凄い事なのよ!」
「そ、それは解ってるけど、今になってウルフの仕事量を増やす意味が解らないわ」
それは俺にも解らない。

「仕事ってのはね……いえ政ってのはね、一人の力だけじゃ何も出来ないの。ウルフ君がどんなに有能でも、仕事上で関係機関や部下との間に信頼関係を築いてなきゃ、良い仕事は行えないのよ」
それは解る。俺も若くして大臣になんてなってしまったから、最初の頃は摩擦が多くて辛かった。

「こればかりは時間をかけて築き上げるしかない……そしてウルフ君はリュカの信頼に応える様、仕事上の信頼関係を築いてきたの。そしてリュカの周囲には優秀で人柄も信頼できる者が集まってきた。だから……」
だから今になって色々な法案を推し進めてるのか!

「そ、そうだったのね……」
そうだったのか……
俺はてっきり面白半分で法案を提示してるのだと思ってた……

「私……お父さんに謝らないと! 誤解してたわ。そんな……色んな事を考えて王様してたなんって!」
俺も陛下に謝罪したい気持ちでいっぱいだ。
信頼されて大臣にして貰ったというのに、不真面目な人なんて思ってしまってた……

「良いのよリューノ。解ってくれれば良いの……リュカも怒ってないし、それを理解してウルフ君の力になってあげてね」
「うん。私……寂しいなんて言わない。ウルフがお父さんと共に頑張ってるのだから、我が儘なんて絶対に言わないわ!」

「じゃぁ2人共ウルフ君を励ましてきなさい。ここの会計は私が済ましておくから……」
ここ(カフェ)に入ってきた時とは違い、優しい口調で娘2人を送り出すビアンカ王妃陛下。
よかった……失礼だからと言う理由だが、早々に席を立ち逃げ出さずに良かった。
俺の知らないリュカ陛下を知る事が出来た。

王女殿下2人がカフェから嬉しそうに出て行くのを見て、俺も幸せな気分で周囲を見回す。
視界に入る者達も彼女らの会話を聞き、何やら幸せな表情で頷き合っている。
気分が良い俺は、もう一杯コーヒーをおかわりし満足感を噛み締める。

王妃陛下達の会話を聞いてた大半の者が、自分の仕事に戻った頃……
俺も同じように仕事へ戻ろうと懐
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ