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オズのムシノスケ
第七幕その二
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 その人にです、ドロシーが声をかけました。
「あの、将軍」
「あら、ドロシー王女」
 将軍はドロシーを見て言うのでした。
「今回はマンチキンを旅してるのね」
「そうなの、ちょっと用事があってね」
「用事?ムシノスケ享受もいて」
 将軍は一行を見ました、見ればです。
 教授にトト、五人の子供達もいます。その恵梨香達も見て言うのでした。
「その娘達は確か」
「ええ、オズの国に時々来るね」
「王女達のお友達ね」
「そうなの」
 そうだとです、ドロシーは将軍に五人を紹介しました。
「この子達もね」
「そうだったわね。一回オズの国で会っていたかしら」
 将軍は恵梨香達を見て言うのでした。
「そんな気がするけれど」
「そういえばそうでしたっけ」
 カルロスもこう将軍に返します。
「将軍とは一度」
「そんな気がするわね」
「将軍は時々エメラルドの都に来られますよね」
「ええ、時々だけれどね」
 実際に都に来ることもあるというのです。
「うちの旦那と一緒に遊びに行ってるわ」
「それで、でしょうか」
「会ってるかもね」
「そうですよね、ひょっとしたら」
「あんた達も今ではオズの国の名士だしね」
「あっ、そうだったんですか」
「オズマ姫のお友達としてね」 
 オズの国全ての国家元首である彼女のお友達ともなればです、オズの国ではそうなるのです。
「有名人よ」
「そうだったんですね」
「ええ、それでだけれど」
 将軍はカルロスとお話してからです、あらためて。
 ムシノスケ教授にお顔を向けてです、教授に尋ねました。
「教授がいらしてるってことは学問のことかしら」
「そう思うのだね」
「教授と言えば学問だからね」
 それでだというのです。
「そう思ったけれど違うのかしら」
「今回は学問ではなく」
「あら、違う事情なの」
「左様、ボタン=ブライトのことで」
「あの子また迷子になったのね」
「いやいや、保護はしているのです」
 教授は将軍にこのこともお話しました。
「我が王立大学で」
「それはよかったわね」
「ただ。起きなくて」
 ドロシーが困った顔で将軍にこのことをお話しました。
「それで困ってるの」
「あの子起きない時は起きないからね」
 将軍もこのことはよく知っています、ボタン=ブライトもオズの国では有名人でその迷子になることも起きないことも有名だからです。
「だからなのね」
「そうなの、それでどうして起きてもらうかっていうの話になってね」
 それは、というのです。
「ここに来たの」
「私のお菓子で」
「そう、好きなものを枕元に置いて」
 そうしてだというのです。
「そのうえでね」
「その匂いで起こすのね」
「北風と太陽ならね」
「太陽の方がいいわよね」
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