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バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
第十九話Road to Elysion〜決戦〜
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いない。
唯一教室の中でそのことを知っていた少女は彼女の近くでどうしようか迷っていた。
祈りに似た表情を浮かべる彼女は知っているのだろうか、その隣に座ってもいいものかどうか考え込んでいる少女がいることを。

それぞれの信念を通すための最終試合(ファイナルラウンド)、A,F両クラス代表によって行われる模擬演習の火蓋は坂本雄二の先制によって始められたのであった。


俺と翔子がにらみ合うことになるのは計算済み、そしてあいつの口振りからだと、どうやら俺の意図を察した上でわざわざこの試合に出てきたらしい。
「……雄二、手加減しない」
真剣そのものの表情で俺をにらんでくるあいつに、俺は胸のすく思いを感じていた。
再び俺はこいつと正面きって向かい合えるようになったこと、そのことに俺は大きな感慨を感じていた。
Fクラスにわざわざ狙って入ったのも間違いじゃなかったということだろうか。
おかげで参謀の協力を得ることも出きるようになったしな。
この教室にいる奴ら全員が俺たちの一挙一動を見逃さんばかりに注目していることに、俺は一切違和感を感じることもなければ不愉快にも思わなかった。
ただ、自分の中の高揚感が表情にありありと浮かび上がっているであろうことを感じるばかりだ。
「上等だ!翔子そっちこそ観念しやがれ!!」
雄叫びをあげて、俺は自分の分身たる召喚獣を翔子の召喚獣に向けて走らせる。
あいつの装備は刀だ、超近距離に潜り込まない限り俺に勝機はほとんど皆無に近い。
つっこんでくる俺にあいつは身構える、あいつの源平鎧に相当する俺の装備は学ランとちゃちではあるが、あえて言えばその分機動性に優れている。
跳躍をしてみせ、頭上から飛びかかってくるように思わせておいて、実は翔子の後ろを取ろうとしたり、或いは真っ正面から勝負を仕掛けると見せておいて、そうではなく後ろに少し飛びす去りタイミングをずらしたり。
あいつの源平鎧も姫路の西洋鎧などに比べれば軽いが、決して軽いものではない。
俺の俊敏さが今回の勝負の鍵だ。
あいつの斬撃を持ち前の操作性で交わしきり、その背に殴りかかる。
殴りかかるその手を受け止め、加えられた力を受け流しながら体勢を整え直した翔子が切りつけてくる。
こっちの胸元を刃先が捕らえ、纏っている改造制服の一部分が破けた。
戦闘の続行に影響など無い、その判断の元俺は再び殴りかかる。
今度はまともに殴られた翔子と俺の点数が再び表示される。
『日本史 Fクラス 坂本雄二 55点 VS Aクラス 霧島翔子 50点』
「……雄二、強いね」
「翔子、お前もな!!」
「…でも、私が勝つ」
今まで防戦一方だった翔子が今度は俺に突っ込んでくる。
振り下ろされた刃を交わし、隙をうかがってあいつの側面に飛び出す。
「翔子、この際だから言っ
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