第十話 剣道少女その二
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「私はピアノが、音楽が大好きです」
「生きがいですね」
「ずっと。死ぬまで演奏していきたいです」
「そこまで思われているんですね」
「そうです、これからも」
「そうですか、じゃあ頑張って下さい」
「そうさせてもらいます」
僕は先輩とこうお話をした、そこにだった。
ダエさんが来てだ、先輩にこう言って来た。
「ピアノ凄く上手じゃない」
「ダエさんおはようございます」
「おはよう。ところで先輩のピアノだけれど」
ダエさんは早速先輩に言った。
「凄く上手よね、私合唱部に入ろうと思っているけれど」
「その伴奏にですね」
「いいかなって思ったけれど」
「はい、それもです」
伴奏、それもというのだ。
「私は好きなので」
「じゃあ合唱部の合唱の時も」
「ご一緒させて頂くことがあります」
伴奏を務めることもというのだ。
「実際に」
「じゃあその時はね」
「お互いに、となるでしょうか」
「ええ、宜しくね」
ダエさんも笑顔で応える、そしてだった。
こうした話をしている時にだ、家のチャイムが鳴った。もうこれでこれからどうなるかがわかる様になっている僕だった。
それでだ、早百合先輩とダエさんにもこう言った。
「また」
「はい、入居者の方ですね」
「新入りの娘ね」
「そうみたいだから」
それで、と言ってだ。そのうえで。
僕は扉の方に向かった、するとだった。
すぐに横に畑中さんが来てだ、こう僕に言って来た。
「おはようございます」
「はい、おはようございます」
まずは朝の挨拶からだった。
「今のチャイムはですね」
「はい、入居者の方です」
新しい、というのだ。
「その方が来られました」
「今度の方は」
「どういった方かというのですね」
「はい、そういった方でしょうか」
「京都からの方で」
まずは出身地からだ、畑中さんは答えてくれた。
「そして剣道をしておられます」
「日本の方で、ですね」
「そうです、剣道もしておられて」
そうしてというのだ。
「とても素晴らしい方です」
「そうですか」
「私はも以前お話しまして」
「その時にですね」
「どうした方か存じることが出来ました」
そうだったというのだ。
「ですからよく存じているつもりです」
「そういえば畑中さん剣道をされていましたね」
「はい」
その通りだとだ、畑中さんも答えてくれた。
「若い頃より」
「九段でしたよね」
「左様です」
「九段って凄いですね」
剣道は十段までだ、十段は柔道でもそうらしいけれど実質的に名誉的な存在であり今そこまで至っている人はいない。だから実質的に剣道の最高段位だ。
それでだ、僕も言うのだった。
「最高じゃないですか」
「いえ、私は最高ではあ
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