暁 〜小説投稿サイト〜
日向の兎
1部
18話
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ーはともかくテンテンは真人間じゃないとでも言いたいのか?
それは道中問いただすとして、最後にこれだけはハッキリとさせておかなければならない。
「ガイ先生、依頼人は木の葉の小隊を一部隊のみ雇ったんですよね?」
「あ、ああ」
「では、一つお願いがあります。私は小隊の一人ではなく、依頼条件の確認及び報酬の交渉人という事にしておいて下さい」
「うーむ、少し難しい気がするぞ。既に報酬の額は決まっている上に、依頼条件の確認も通常は依頼を受ける前にする事だから確実に怪しまれると思うぞ」
「ええ、通常はそうでしょうが波の国であれば少し事情が変わってきます」
「……どういう事だ?」
「波の国は小国であり、忍もいません。それ故に霧隠れの抜け忍が入り込みやすいというのが実情です。
そして、抜け忍の多くは大抵野盗紛いの事を行い金銭を得る訳ですが……波の国で腕利きの忍者が金を得ようとすれば、真っ先に思い浮かべるのがガトーカンパニーから盗み出す事でしょう。
何しろ、警備はあくまでならず者が数だけいる程度なのですからね。腕利きの忍者であればそのような警備はあってないような物でしょう。
さて、そんな状況で私達の依頼は依頼人の護衛のみ。つまり、会社が消えてなくなるような損害を被ろうと私達はあくまで依頼人"のみ"を守るだけです。
と、なれば本当にそれでいいのか?と確認するのは寧ろ当然であり、誠意ある行為ではないでしょうか?」
「ふむ」
「細かい所は依頼人に直接説明しますが、十分に説得できるだけの資料などは用意しています」
「…………分かった、ヒジリ。そこまで言うのなら担当上忍として信じよう」
「ありがとうございます」
さて、条件は整った。あとは向こうで最後の仕上げを行うのみ……くく、楽しくなってきたじゃないか。




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