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銀河英雄伝説〜美しい夢〜
第四十六話 真意
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った後、蒼白になって頷いた。子爵だけではない、皆が蒼白になっている。ブラウンシュバイク公は全てを考えてあの法を作っていた。

「そうか、そこまで考えての事か。いずれ連中も気付くだろう、嵌められたとな。お前は彼らには恨まれるぞ、それも覚悟の上か」
「はい」
「……可哀想な奴だ、お前は先が見え過ぎる、そして見過ごす事が出来ぬ」
「申し訳ありません、義父上」
大公が首を横に振った。哀しそうな表情をしている。

「責めているのではない、哀れんでいるのだ。お前を養子にしたのは間違ってはいなかった。帝国は安定した、繁栄もするだろう。ブラウンシュバイク公爵家も滅びずに済む筈だ、感謝している。人類は何時かお前に感謝するかもしれん。だが……、お前個人は幸せとは言えまい。……お前に重荷を背負わせてしまった。済まぬ、許せ」
大公は俯き公も俯いている。二人とも泣いているのかもしれない。二人から視線を逸らした、とても見てはいられない。

「不幸では有りません。重荷を背負ったとも思っていません。私はこの国を変えたいと思った、誰もが安心して暮らせる国にしたいと望んだのです。……だから義父上、謝らないでください。私は不幸ではないのです、この道は私自らが選んだ道ですから」
絞り出すような声だった。





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