第五幕その九
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とにかく広いです、あらためて歩いてみると。それでカルロスは驚いて言いました。
「こんなに広いなんて」
「思わなかったかね」
「はい、とても」
「広いとは聞いていたね」
「ですがこれ程までとは」
とてもというのです。
「思わなかったです」
「大体君達の学園と同じ位の広さだと思うよ」
「うちの学園も広いとは聞いていましたけれど」
「実際に歩くと実感するね」
「はい」
こう教授に答えました。
「本当に」
「聞くのと見るのはまた違っているんだよ」
「歩いてみてもですね」
「百聞は一見に然ずともね」
教授はこの言葉も言いました。
「いうからね」
「実際にその目で見ることですね」
「学生の諸君にも言っているよ」
「見ることの大事さをですか」
「それは学問についてとても大事なことだからね」
「ベンキョー錠を飲むことよりもですね」
「ベンキョー錠は勉強の為のものでね」
勉強の中身のものを自分の中に入れるものだというのです。
「学問は自分がしたくてするものだから」
「学問にはですか」
「そう、見ることもね」
それもというのです。
「大事だからね」
「それで見ることもですね」
「学生諸君にいつも言っているんだ」
「そういえば僕達も」
カルロスは教授のお話から気付きました。
「何かと遠足とかで」
「外であらゆるものを見ているね」
「それがなんですね」
「そう、学問なんだよ」
「それになるんですね」
「学問は一生のものだよ」
「へえ、一生ですか」
そう聞いてです、カルロスは驚いて言いました。
「ずっとやるものですか」
「自分がしたいとね」
「しないといけないものじゃなくて」
「自分がしたい分野をね」
「勉強していくものですね」
「いや、勉強はしないよ」
教授はカルロスにこのことは注意しました。
「勉強と学問は違うからね」
「そういえば教授はいつもそうお話されていますね」
「そうだね、学問はどうするものかというと」
「勉強でないとすれば」
「調べてね」
そして、というのです。
「知っていくものだよ」
「そうしたものですか」
「それが学問なんだよ」
「自分からなんですね」
「させられるものでなくて」
「自分からしていくものだよ」
それが学問だというのです、教授は皆と一緒に歩きつつです、このことをお話するのでした。
「遊ぶことともね」
「遊びともですか」
「似ているね」
「あの、学ぶことと遊ぶことは」
「似ていないというんだね」
「違うんですか?」
「いや、どっちも楽しんで自分からするものだからね」
教授はカルロス達にお話していきます。
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