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FAIRY TAIL 星と影と……(凍結)
EP.29 ジョゼの研究
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地理、自然、生物、天候、果ては哲学まで――――もうこの世のすべての知識を集める勢いで情報収集を行ったのだ。

 膨大という言葉では表せないほどの量、その9割以上を無駄な情報が占める中、手掛かりといえる一割以下の情報を探し当てるなど、幾ら若くして聖十の座に登り詰めた天才魔導士といえども苦行以外の何物でもなかった。しかもその一割の情報は、例えるなら枠の無い――つまり果ての無いジグソーパズルの一片のピースの、さらにその欠片のようなものである。
 それでもジョゼは諦めるようとはしなかった。途中で目的が知る事、知識を集める事にすり替わりそうになろうとも、手と足と目と頭を止める事は無かった。


 全ては頂点に立つため。その執念は、まさに『強欲』という狂気のなせる業だった。



    =  =  =



「ヤツボシの一族――『星族』に名を連ねる者は、その証として生後間もなく身体のどこかに星型の刺青を入れるという……」

 ブツブツと、ジョゼは呟くように言うと、“黒羽(くれは)の鎧”に身を包んだエルザの傍らで膝をついて荒い呼吸を整えようとしているワタルを――その左肩に刻まれている星を目に焼き付けるように凝視した。

「ついに見つけた! よもや妖精の尻尾(フェアリーテイル)にいたとはね……クックック……」

 多大な時間と労量を費やし、焦がれるほどに探し求めてきた『星族』……目の前にその正真正銘、本物の末裔がいる。笑いも漏れるというものだ。
 狂喜のあまり、ジョゼの視界には直接こちらに敵意を放っている緋色さえも映っていなかった。

「神がいるというなら、キスでもしてやりたいくらいだ! 家出したハートフィリアの娘を連れ戻しに来て、まさかこんな……ククク、アーハッハッハッハッハ!!」
「……何がそんなにおかしい」

 ジョゼは片手を顔に当てるとそう言い、堪えきれないように高笑いを上げる。
 これまでの余裕に満ちた態度から急変して、狂ったように歓喜の笑い声を上げるジョゼに、エルザは警戒を解かないまま怪訝な目を向けた。
 それに気付いたのか、ジョゼは高笑いを止めると口を開く。

「フム……気分が良いからな、冥土の土産にでも話してやろう。……魔力、人材、金――――そのどれをとっても、幽鬼の支配者(ファントムロード)はずっとこの国で一番だった」
「は?」

 いきなり話が飛び、自分の頭がおかしいのかとエルザが思ったのも無理はないだろう。
 そんな彼女に構わず、嬉しそうな、それでいて狂的な薄ら笑いを浮かべながらジョゼは話を続ける。

「実に気分の良い日々だったよ。皆が恐れおののき、並ぶものなどいない。立ち向かうなどもっての外……そんなギルドの頂点に私は立っていたのだからな」

 だが――とジョゼは言葉
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