暁 〜小説投稿サイト〜
クルスニク・オーケストラ
第六楽章 呪いまみれの殻
6-1小節
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
いな? あんな奇ッ怪なモン、使ったらその場で苦労が水の泡だぜ」

 要するにエレンピオス人の常識に精霊術はないから、使えるようになって白眼視されないようにしろ、とのご意向ですわね。
 そうやって患者の身の上まで心配してくださるリドウせんぱいは、やっぱり素晴らしいお医者様です。

「ま、実践も何も、霊力野(ゲート)のないお前じゃできっこないんだけどね」
「承知しております。お気遣いありがとうございます」

 膝に置いていたコートを着て、バッグを取る。

「……お前はいいねえ。いつもヘラヘラ笑っててさ」

 あらお珍しい。お医者様モードのリドウ先生から個人的意見を聞けるなんて。雪でも降るんじゃないかしら。

「だって、《十錠の薬を飲むよりも、心から笑ったほうが効果がある》んですもの」
「今日は誰だよ」
「《Dチームのトマスです、リドウ副室長。最後のほうは、恥ずかしながら心療内科に通いながら任務をしていましたので》」
「ふうん。あ。言っとくけど、俺、最近、室長になったから」
「《失礼しました。昇進おめでとうございます。では、失礼いたします》」

 その《レコードホルダー》はわたくしの顔で笑って敬礼し、診察室を出ました。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ