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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百四幕 「泣きの一回使用済み」
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の海から3機のISが水飛沫を上げて浮上し、ゴスペルへ攻撃を開始した。白式、ラファールRCーU、レーゲンの3機だ。レールガンとアサルトライフルの弾丸がゴスペルに命中し、たまらず身を引いて距離を取る。ゴーストから引き剥がされるかのように。

「ほらな。基本構造が戦闘機なら、例えIS級スペックでも海中の敵を捕らえるほど高度な熱源センサを持っている訳が無い。僚機のソナーを使えば話は別だが、あんな速度の兵器について行ける僚機などあるものか!」
「本当ならゴーストを先に片付けるべきだったんだろうけど……海上に出た時点で機械的に感知されるからね。アドバンテージを活かすには、ゴーストに近づくよりもゴーストの攻撃を度外視できるゴスペルへの奇襲が一番だね!」

更に付け加えるならばゴスペルの意識は完全にゴーストと、囮も兼ねていたティアーズ・紅椿に向いていたために成功した奇襲だ。決定打には程遠い一撃だが、ゴーストとゴスペルを分断させるにはこれが一番都合がいい。後は各個撃破あるのみだ。

2機の射撃を切り抜けるように高速で空に舞い、シルバーベルの照準が獲物を求めて動く。だが――その狙いは簡単には通らせない。奇しくも同じ白い翼が、隼のような速度で斬り込んだ。

交差する2機。

「……一本、だ」
『!?!?』

次の瞬間、ゴスペルのウィングの一部が斬り飛ばされて宙を舞った。
機体の一部を欠損させたゴスペルが悲鳴のような機械音と警告音を吐き出して、自らに切りかかった相手を警戒するように距離を取ろうともがく。
だが、その焦る動きと対照的に白式はただ静かに虚空に佇んでいる。

「助けようとした相手を今度は攻撃する……ってのも変な話だけど」

ゴスペルに背を向けたまま雪片参型を握ったIS――白式がゆっくりと振り返ってゴスペルにその刃を突きつけた。一夏の決意の瞳がゴスペルを射抜く。

「お前、操縦者の人を護ろうとしてるだけなんだろ?それはいいことだと思うけど――見境なしは流石に見逃せねえ。今度は前みたいにはいかないぜ!」

白式の突き出した雪片参型の刃が、福音の姿を映し出す。
まるでこの刃を喉元に突き付けるという宣言のように。
太平洋上の決戦が、再び幕を開けた。



 = =



その山奥に、一人の男が座禅を組んで瞑目していた。
呼吸音すら聞こえなくなりそうなほどに静かな呼吸の音と、風が揺らす草木がこすれる音だけが空間に響く。

「……………」

男の名は浅間承章。IS学園所属の生徒であり操縦者。
極限まで己という存在を沈めていた彼は、ゆっくりと目を見開き、一言。

「やっぱりあの暗闇に突入してくる!わざわざ学園から出向いておいてベルーナを指を咥えて見ているなど我慢ならん!兄の威厳にかかわる!」
「わー!
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