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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第八話 お団子頭の女の子その九
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「将来は中国一の女料理人ある」
「何か凄い夢だね」
 十三億人、その頂点になるとだった。
「そうなると」
「けれどある」
 それでもと言う水蓮さんだった。
「私は頑張ってあるよ」
「中国一になるんだ」
「そうある、そして中国一から」
 さらにと言う水蓮さんだった。
「世界一になるある」
「凄いね、それはまた」
「だから料理部でもある」
 そこでもだというのだ。
「私頑張るあるよ」
「やがては世界一だね」
「そうなる為にある、頑張るある」
 水蓮さんは両手を拳にさえして僕に言った、そうしてだった。
 僕にもだ、何処からか中華鍋を出して言って来た。
「この中華鍋で何でも作ってみせるあるよ」
「それ本当に便利だよね」
 僕も中華鍋のその凄さは知っている、とにかく中華料理なら何でも作られる。僕も中華料理が作っているからわかるのだった。
 それでだ、僕も水蓮さんのその言葉に頷いて述べるのだった。
「まさに中国人の英知の結晶だね」
「そうあるよ、あと中華鍋は夫婦喧嘩の友ある」
「まさかと思うけれど」
「これで浮気した旦那さんの頭をポカーーンある」
「いや、ポカーーンってやったら」
 中華鍋を右手に持ってスイングする水蓮さんに突っ込まずにいられなかった。
「駄目だよ」
「中国ではよくあることあるよ」
「そんなので叩かれたら頭が割れるよ」
 水蓮さんが持っている中華鍋はとても大きい、しかも鉄製でかなり重そうだ。
 それでだ、僕も言うのだった。
「下手したら死ぬよ」
「大丈夫ある、中国人そんなことで死なないあるよ」
「中国人って頑丈なんだ」
「タフなのが中国人の取り柄あるよ」
「それでもここは日本だからね」
 それで、とだ。僕はタイミングを見計らいながら話した。
「だからね」
「日本の掟に従ってあるか」
「そうしてくれるかな」
「わかったある、考えてみたら私には今のところ旦那様はいないある」
 中華鍋を何処かにしまって腕を組んでだ、水蓮さんは言った。
「だからしないある」
「少なくとも日本ではしないでね」
 中国ではともかく日本でそこまでハードな夫婦喧嘩はもうないと思う、昔は包丁なりが出て来たりしたらしいけれど。もっともうちの親父は浮気で刃傷沙汰とかしょっちゅうだと思うけれど。
「誰にもね」
「旦那様以外にはしないあるよ」
「それも中国でだけだね」
「そうするある」
水蓮さんも素直に頷いてくれた。
「私郷に入ったら郷に従うあるよ」
「そうしてね。それとね」
「それと?」
「大家さんも私のお料理を楽しむよろし」
 こうも言って来た、僕に。
「こっちは拳法よりも自信あるあるよ」
「だからなんだね」
「そうある、中華鍋と包丁で何でも作るあるよ」
「その時も楽し
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