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東方喪戦苦
〜三十幕〜無慈悲なる、女帝
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私は、感情を知らない。
別段、親が無表情だったわけではない。
親は私を、愛してる、と言って笑ってくれたし、駄目なものは駄目、と叱ってくれもした。

だけど、あの笑顔は本当じゃない。あの笑顔は表情だけ??????
裏ではなんとも思っていない。じゃあ、心から表情を出してくれる人はどこ?
お母さんも、お父さんも、お爺ちゃんも、お婆ちゃんも、誰も心から笑ってやしないーーー。

「表情ってなに!?心ってなに!?」
女の子が突然叫ぶ。

「ーーーっ!?」
もたれかかっていた木から跳び跳ねた。
また夢を見ていたらしい。

??「どうした?菜々?」

背が高く、スラッとした感じの男性が、声をかけてきた。

「何でもない」

そういって、そっぽを向く。

表情ってなに!?ーーーか、骸とか幾姉さんとかのあの笑顔は、心から笑っていたのかな?

??「どうした?」

「何でもない、行きましょ。響真(きょうま)
不意に立ち上がり、そう言った。
響「あぁ、今回の任務(ミッション)なんだっけ?」

「私達のーーーいや、裕海の事を探っていた女の始末。」
その言葉を発した瞬間、目付きが変わった。

響「こぇぇよなぁ、裕海の事をちょこっと探っただけで、始末だなんて」

「そう?ならオーダーから立ち去ればいいんじゃない?」

響「そんな事したら、死んじまう!、勘弁してくれよ」
響真の顔には、冷汗が流れていた。

「お喋りはこの辺にして、ターゲットが来たわよ」

響「見張ってて正解だな!」

そう言いながら、二人はしゃがみこんだ。

「ターゲットの名前は新月 神那、狂夜兄さんのお兄さんね」

菜々は飛び出していき、神那との真ん前に立った。

「貴女が新月神那?」

神那「だったらどうしたの?」

「特別な恨みとかは無いけれど、死んで貰うわ」

神那「貴女達、オーダーね?」
神那が身構えた。

響「おっと、バれてましたか????」
草むらから、響真が出てくる。

神那「言っておくけれど、私はそこら辺の女、男に負ける程、やわじゃないのよ?」

「そう、けれど心の方はどうかしら?」

そう言って、神那の目を見る。
菜々と目があった瞬間、神那の脳内に何かが侵入してきた。

ーーー
神那「狂夜ぁ〜♪」

狂「あんまりくっつくくなよぉっぉぉ」

神那「狂??????夜???????」

狂夜の首は、既に半回転しきっていた。
ブチッ、途中で鈍い音を立てて、狂夜の首はネジ切れた。
おびただしい、量の血液が神那の顔にかかり、神那は絶叫したーーー。

ーーー
神那「また????」

狂「神那?なにやってんだ?」

神那「狂夜ぁ!」

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