暁 〜小説投稿サイト〜
Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
序章
02話  竜の花火
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
非常に高い。


『くっ!!』

 一斉に突撃砲を放つ――120mm滑空砲が放たれ要塞級の数体の甲殻が爆ぜる。
 しかし、それで弾切れ。要塞級の多くは致命傷に至っていない。
 36mm砲弾の斉射が要塞級とその足元のBETAを襲うが、幾ら葬ろうが次から次へと枠要撃級とそれを物ともせずに猛進する突撃級と戦車級。
 そして、その中を走破性の高さと防御力を併せ持つ要塞級が進んでくる。

 その巨体が一歩、また一歩と歩を進めるたびに死が近づいてくる―――――

『く、来るなぁあああ――ぎぃぃぎゃああああああ!!!』

 捌き切れない戦車級に集られた武御雷の装甲を食い千切られた管制ユニットから引きづり出された衛士が二体の戦車級に掴まれ、上下に引きちぎられながらその赤い異形の大口に消えた。


『あ、ああ……!』

 自身の小隊が自らを残し全滅―――周囲の者の目が無くなり、一気に嵩宰恭子を支えていたそれが音を立てて崩れ落ちる。
 終わりを告げるかのように、要塞級の触角が振り上げられ……落ちる。


『ひぃ!』

 その時だった。一発の弾丸が飛来した。

『―――え』


 空中に火花を咲かせながら要塞級の触角の先端を弾いた銃撃―――其方に視界を巡らすと漆黒の左肩に組合角に桔梗の紋章を持った不知火が疾走してきていた。
 そして、左腕に保持された支援突撃砲を下げ、代わりに右腕の突撃砲を構える。


『――――狙い撃つッ!!!』

 突撃砲の120mm砲が火を噴く。そして要塞級の頭部で爆発―――突撃砲の120mm砲はロケット弾を発射する機構だ。其の為、対象に命中すれば残ったロケット燃料が引火爆発しその威力を底上げする。

 煙が風に流される……命中箇所の甲殻はひび割れ肉面を晒ししていた。

『雄おおおおおおッ!!!』

 漆黒の不知火の跳躍ユニットがロケットモーターを点火、急加速する。
 そして、その猛スピードの中、36mm砲を連射する―――数十発に一発混入される啓光焼夷弾により可視化される射線はまるで吸い込まれるように先ほど甲殻を割られた頭部へと吸い込まれてゆく。
 致命へと至る損傷を受けて要塞級の巨体が倒れ始めた――――


『第二・第三小隊フラットシザースを仕掛けろ!第一小隊は(オレ)に続け!!』
『『『了解ッ!!!』』』

 絶命した要塞級が倒れるよりも早く、要塞級の群れを挟撃する形で左右から純白の何れも左肩に組合角に桔梗の紋章を持つ不知火たちが襲撃する。

 そして、その強化された出力に見合った高機動性を発揮し、要塞級を刈り取ってゆく。
 其処へ漆黒の不知火を戦闘とした小隊が足元の要撃級や突撃級に小型種を次々と葬ってゆく。


『あの機動……不知火壱型丙?
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ