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日向の兎
1部
13話
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すると、素っ頓狂な声を上げた。
「こ、根性重りが割れてる……」
……なんだって?重り?
私の最後の一手で与えた損害が重り一つだと……軽く目眩がするな。未熟にも程があるぞ、私。
「高かったんだが……買い直すしかないか」
少し落ち込んだ様子で先生は割れた重りを地面に置いた……直後、私は凄まじい砂埃を浴びる羽目になってしまった。
「ああ、済まない!大丈夫か!?」
「ゴホッゴホッ……大丈夫ですから、少し声量を抑えて下さい」





その後、演習場を片付けてからあの重りは特製の合金によって作られたものらしくざっと300kg近いものだったということを知った……よくそんなものをつけた蹴りをくらって無事だったな、私。
「それにしてもその棒はなんだ、ヒジリ?根性重りが壊れるなんて今まで一度も無かったぞ?」
「蓬莱の枝ですね、日向の柔拳は人体に対する威力は非常に高いのですが、例えば恐ろしく頑丈な鎧や何かを纏われると少々困ったことになるのです。
それで考えたものがこの蓬莱の枝です。柔拳の振動を柔らかい内蔵を破壊するものから、鉄や骨といった硬いものを砕く物へ変えるというのがこの忍具の性能です」
「つまり、あの時重りが無ければ骨が折れていたのか!?」
「さて、まだ実験していませんので分かりませんが、最低でもヒビは入ったでしょうね」
「……他の奴らのお前向ける視線の意味が分かったよ」
「む、優れた忍具を作ることに何か問題が?」
「限度を知ろう」







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