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復縁
第三章

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第三章

「いいわね。そうしなさい」
「仲直りって」
「そんな下らないことで喧嘩してどうするのよ」
 千絵はさらに言ってきた。
「そうでしょ?わかったらね」
「あいつと寄りを戻せね」
「そういうこと。わかったらね」
 話が一段落したところで携帯を出した千絵だった。
「連絡するから」
「あいつに?」
「まさか。直接そんなことはしないわよ」
 それはにと。微笑んで返すのだった。
「将を射るならよ」
「馬をってこと?」
「そう、まずは馬に連絡するから」
 そうするというのである。
「海道にね」
「あいつに」
「後は任せなさい」
 房江にそれ以上は言わせなかった。ごねるのがわかっていたからである。
「いいわね」
「それじゃあ」
「止めないのね」
 ここで房江の言葉に対して述べた。
「もう」
「どうせ止めても動くんでしょ?」
 半ば諦めた顔で言葉を返す房江だった。
「ここまで来たら」
「そうよ。何度も言うけれど勿体わよ」
 またこう言うのだった。
「いいわね。それじゃあ」
「わかったわ。もうここまで来たらね」
「腹を括るのね」
「そうするわ」
 その腹を括った顔で返す房江だった。こうして千絵は携帯のメールで茂久に連絡した。彼はそのメールを見ると微笑んで述べたのであった。
「よし、それじゃあな」
「何があったんだよ」
「おい、今日はどうなんだ?」
 充の問いにはまずは答えなかった。逆にこう問い返すのだった。
「それで」
「今日は何もないけれどよ」
 これが彼の返答だった。
「別にな」
「そうか。それはいいな」
「いいのかよ」
「ああ、いいことだ」
 茂久は今度は微笑んで充に告げた。
「じゃあ今夜はな」
「ああ」
「飲みに行こうぜ」
 こう言って彼を誘うのだた。
「いいな、それじゃあな」
「ああ、それでな」
 こうして彼等はその日は居酒屋に向かった。当然その店も飲み放題の店である。和風の内装の店に入ると。充は顔を見合わせたのだった。
「おい、何でなんだよ」
「何でって何がだよ」
「だからよ。何でなんだよ」
 充は顔を思いきり顰めさせて隣にいる茂久に対して言った。
「何でこいつがいるんだよ」
「悪いか?」
「悪いよ」
 こう店の中で話すのだった。二人の周りだけが冷たい剣呑な空気が流れている。それは酒場の賑やかな雰囲気とは全く別であった。
「だから俺はな」
「いいから飲もうぜ」
 その彼に対してまた言う茂久だった。
「いいな、それじゃあな」
「飲めっていうんだな」
「飲むことだけを考えろ」
 今度はこう言う茂久だった。

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