暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜"死の外科医"ユーノ・スクライア〜
番外編
File.1〜スカリエッティ脱獄事件〜
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それは、ユーノが管理局を辞職して、半年の月日がたった、ある日のことだった。

ここは、第9無人世界『グリューエン』。

流刑世界とも呼ばれ、この世界に存在するものと言えば、犯罪者を収容するための施設のみである。

加えて言うならば、重犯罪者の収容施設ともなれば、通常は人の生存が不可能な場所に存在するため、中に居る犯罪者が外に出ることはもちろんのこと、外部の人間が内部の囚人を救出することもできず、まさに『鉄壁の要塞』とも言えよう。

かつて、JS事件と言う、管理局史上最大とも言える事件を引き起こたジェイル・スカリエッティと捜査協力を拒否したナンバーズたちも、当然、重犯罪者として、この世界の軌道拘置所に終身刑で投獄され、24時間、厳重に監視されていた。

「・・・どうだ?スカリエッティとナンバーズたちに異常はないか?」
「今のところ、異常はありません」
「そうか、御苦労。引き続き、監視を頼む」
「了解しました」

看守長と看守たちの会話が、モニタールームに響く。

「・・・・しかし、本当に監視なんて必要あるのかね?」

看守長が去った後、トランプに興じていた看守の一人がそう切り出す。

「俺もたまにそう思うよ。なんせ、この施設は衛星軌道上に存在するんだ。逃げたところで、無酸素と気圧の変化ですぐに死んじまうよ」
「違いない。おまけに、ここまでの移動手段はおろか、この世界への渡航手段さえも、全て管理局が厳重に管理している。ゆえに、外部の人間に協力を求めることもできない」
「俺らいる意味ないな」
「まあ、ただここにいるだけで給料もらえるんだから、良い仕事じゃねえか」
「違いないな。・・・・・あれ、スカリエッティの野郎なんかぶつぶつ言ってないか?」
「気のせいだろ。ここに侵入できる人間なんて、どんな化け物だよ」
「そうさ、大方、長いこと収監されてて、いかれちまったんじゃねえの?・・・・・って元々いかれてるような奴だったか」

彼らは気づいていない、事態は彼らが思っていた以上に深刻であることに。





一方、(くだん)のスカリエッティの方では。

「わざわざ、こんな場所に来てくれるとは、どういう風の吹きまわしだね?ユーノ・スクライア司書長」
「僕はすでに半年も前に、管理局とは縁を切った。もう司書長ではないよ」

そう、そこには、すでにユーノが侵入していたのだ。

特殊な認識阻害魔法で監視カメラの眼を誤魔化し、スカリエッティと会話している。

「しかし、この鉄壁とうたわれているはずの軌道拘置所にこうも簡単に侵入してしまうとは・・・・それも、あの無限書庫の恩恵かい?」
「まあね。ミッド式にもベルカ式にも当てはまらない、古代魔法(エンシェント・スペル)だよ」
「なるほど。今の最
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