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告白させて
第二章

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第二章

「席空けておくからな」
「一緒に食おうぜ」
 男連中も言う。
「それでどうだよ」
「昼な」
「おい、何でそうなるんだよ」
 真彦は顔では別のことを言っているが口ではこう言うのだった。
「俺は別にな」
「まあ待ってるからな」
「それじゃあな」
「来ないからな」
 やはり口ではこう言う。
「だから何でもないんだよ」
「じゃあこっちから来ようかしら」
「そうよね」
 するとだった。女の子達が話すのだった。
「連れて来てね」
「そうそう」
「一体何を言ってるんだよ」
 真彦はまだ言い繕う。少なくとも自分では言い繕っているつもりである。
「俺はさ、別にさ」
「まあ昼だからな」
「来いよな」
「席は空いてるからな」
「そうしておくからな」
「だから来ないからな」
 真彦は少しムキになって話した。そうしてそのうえでそのクラスから去る。皆はその彼を生温かい笑顔で見送る。そしてその日の昼だ。
「おい雨宮よ」
「隣のクラスからお呼びだぜ」
「すぐに来てくれってよ」
 クラスにいたらすぐにクラスメイト達から声をかけられたのだった。
「弁当持ってくれってな」
「そう言ってるぜ」
「すぐに行けよ」
「何でだよ」
 真彦は自分の席にいる。そこに座ったまま今丁度弁当を出そうとしていたところだった。そこで手を止めて問い返したのだった。
「何で俺があのクラスに行かないといけないんだよ」
「さあな」
「何でだろうな」
「それはな」
 クラスメイト達はにやにやしながら応える。
「まあ行けよ」
「呼んでるんだからな」
「席まで用意してるってよ」
「行く訳ないだろ」
 真彦は一応憮然として言葉を返す。
「俺はここで食うよ」
「だから行けよ」
「折角呼んでるんだからな」
「いるしな」
 一人がさりげなくだが露骨に言ってきた。
「昼はな」
「だから誰がいるんだよ」
 一応口ではこう返す真彦だった。
「それで誰がなんだよ」
「だから行けって」
「俺達と食うよりずっといいだろ?」
「だからな」
 クラスメイト達はさらに急かした。
「ほら、待ってるからな」
「行け行け」
「感想は後で聞いてやるからな」
 こうして彼を強引に立たせて隣のクラスに行かせた。そしてそのクラスの人間に言うのだった。
「連れて来たからな」
「これでいいよな」
「後はな」
「ああ、悪いな」
「じゃあ雨宮、一緒に食おうぜ」
「それじゃあな」
 彼等は連れて来た面々に礼を言った後で真彦にも声をかけた。

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