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オズのムシノスケ
第一幕その八

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「本当に何でも出来ます」
「だからなのね」
「私達の中で、いえ学年でも」
 五人の中に限らず、というのです。
「一番なんですよ」
「スポーツだとなのね」
「それに身体も頑丈で」
「怪我には強いですね」
 カルロスから笑って言った言葉でした。
「鉄人って言われたこともあります」
「あら、それは何よりね」
「そうですよね。やっぱり身体は頑丈な方がいいですよね」
「怪我が多いとね」
 それだけで、と言うドロシーでした。
「大変だからね」
「そうですよね、とても」
「そう、だからね」
 それでと言うのです。
「カルロスはそのことも感謝するべきね」
「神様にですね」
「ええカルロスの信じる神様にね」
「そうしないと駄目ですね」
「そう思うわ、人は一人じゃないから」
 誰も一人ではありません、ドロシーにしてもです。
 トト、自分の横でドロシーが分けてくれた御飯を食べている彼を見てです。そのうえでカルロスにお話するのでした。
「トトもいてヘンジーおじさんとエムおばさんがいてくれて」
「オズの国の人達もですね」
「そう、皆がいてくれているから」
 だからだというのです。
「私は皆に助けてもらってね」
「ドロシーさんもそうなんですね」
「一人で生きている人はいないわよ」
 例えどんな人でも、というのです。
「だからカルロスもね」
「スポーツが出来ることも頑丈なことも」
「そのことは神様からの頂きものだから」
「神様に感謝をして」
「そう、そしてね」
 そうしてだというのです。
「これからもね」
「感謝していかないと駄目ですね」
「そうよ、神様に」
 そしてなのでした。
「皆にもね」
「他の人達にもですね」
「感謝していかないとね」
「そうですね、そのことは」
「ええ、感謝を忘れたら」
 それで、というのでした。
「人は駄目だからね」
「それだけで、ですね」
「そうなの。それを忘れたら悪い人になるわよ」
「そこからですね」
「感謝は大事なの」
 その気持ちを持つことがというのです。
「いつも何かに、誰かに感謝する」
「その気持ちがですね」
「大事だから。カルロスも皆も忘れないでね」
「はい、わかりました」
「そうさせてもらいます」
 カルロス以外の皆もでした、ここで。
 皆で一緒に感謝をしながら食べました、そうして。
 丼とおうどんを食べ終わってからでした、今度は。
 ドロシーは五人にです、微笑んでこう尋ねました。
「御飯の後はね」
「はい、デザートですね」
「それですね」
「丼とおうどんだったから」
 和食です、それだったからというのです。
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